内容説明
ルーツを隠さなければならない社会は、決して「豊か」とは言えない────
フォトジャーナリスト・安田菜津紀が一人ひとりのアイデンティティと向き合い、それぞれのルーツについてたどった渾身のルポ。
朝日新聞社の言論サイト「論座」にて連載中のエピソードから書籍化。今もなお取材を続ける中で、今回、あらたに書き下ろしを2本収録。2021年3月、名古屋入管内で亡くなったスリランカ人女性ウィシュマ・サンダマリさん。なぜ彼女は命を奪われなければならなかったのか。彼女が生きてきた証をたどるために故郷スリランカでの取材を敢行。さらに、ヘイトに抗い、「ともに」を掲げ続けてきた川崎・桜本にある「ふれあい館」の取材から、差別について問う。
異なる「ルーツ」を持つ人たちが、どう同じ場を分かち合っていくのか。その模索のはじまりは、人との手触りのある対話です。コロナ禍で、人が集ったり、たわいもない会話を楽しんだりするひと時はぐっと減ってはいるものの、それに近い感覚を、どうメディアを通して築いていくことができるのか、ずっと考え、一冊の本を編むことを思い立ちました。(「なぜ、父は自身の「ルーツ」を隠してきたのか?」より)
目次
なぜ、父は自身の「ルーツ」を隠してきたのか?
ベトナムから一人、木造船で海へ/南雅和
ロヒンギャとしてのルーツを隠し生きた日々の先に/カディザ・ベゴム
日本でもドイツでも、自分の存在は「他者」だった /牧野アンドレ
「なんでガイジンが」と言われても続けた寿司修行/マウン・ラ・シュイ
「自分は何人か」から始まった、朝鮮半島ルーツの人々を訪ねる旅/ちゃんへん.
自ら選んだ「名乗り」、「違い」という宝/中村一成
なぜ、「ともに」を目指し続けるのか? 川崎、桜本を歩く
ラップという、暴力ではない表現を得て/ジュニオール・ヘスス
カメルーンから日本へ、絵を通して人とつながった原点/星野ルネ
堂々と私でいられる場所をニホン語の中につくる/温又柔
8歳まで「無国籍」、伝えたかった「ママの人生は間違ってなかった」/三木幸美
二つの国の「ジャーナリズム」に触れて/房満満
いつの日かジャスミンの香る故郷シリアへ/ガムラ・リファイ
なぜ、その命は奪われたのか? ウィシュマさんの生きた軌跡をたどって
おわりに 取材を振り返って
主要参考文献
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Die-Go
貧家ピー
モリータ
Koji Harasawa
さくさく
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