内容説明
十字架、仏像、モスク、曼荼羅、地獄絵図、神話の神々、竜――。シンボルマークや聖なる空間、絵画、彫刻、映画などによって形成された「イメージ」は、教義と並ぶ宗教の重要な特徴だ。それを分析する技法が宗教図像学である。本書では、ユダヤ教、キリスト教、仏教をはじめ、世界の主な宗教の図像学的知識を一挙解説。「天界の王族」「聖なる文字」などのトピックごとに、奥深い宗教文化の魅力を余すことなく紹介する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
へくとぱすかる
82
「図像宗教学」と言い換えると内容がよくわかる。諸宗教に現れる「かたち」から、宗教とは何かという問題に入っていく感じ。だから盛り沢山な網羅と解説から、さらに一歩先を行く。最も良心的だと思うのは、宗教的な熱意からつねに一定の距離を置こうとしていること。それによって客観性・公平性を保とうとしているので、宗教の常識を冷静に見直すことができる。聖性があるから一定の「かたち」ができるというより、その逆もありうるし、それはニワトリと玉子のような関係であるらしい。「聖なる文字」の部分で、文字学にも触れているのがうれしい。2022/12/30
HANA
65
各宗教の垣根を越えて、そのシンボル等が持つ意味を解説した一冊。入門という事で図像学的な事より各宗教がこのようなものを持っていますよ、といったような紹介が中心。でも象徴とする物や神々や聖人の図像、儀礼や聖地、怪物がテーマごとに紹介されているのは読んでいて図鑑的な面白さがあるな。ただ基本を押さえてあるので、ある程度宗教の事を齧っていたら、全て知識の中にある事ばかりだけど。あと性質上図版多数なのはありがたいけれど、イラストがかなり混じっている。せめて写真とかで本物に触れたいものだけど著作権の兼ね合いとかかな。2022/02/16
エドワード
54
神社の鳥居、前方後円墳、五重塔。子供の頃、身の回りの不思議な造形に興味津々だった。歴史を習い始めてから仏像おたくになり今に至る。そんな私には古今東西の宗教図像満載の本書は本当に面白い。昔見た「未来への遺産」を思い出すね。イメージトリップとは実に言い得て妙だ。「如来がボス、菩薩と明王が部下」といった解りやすい表現がいいね。十字架にも色々ある。天使にも色々いる。カオスなインドやブラジルの神々。神々の名前や持ち物、建築物、文字のデザインなど、無茶な理屈にも民衆教化の苦労がしのばれて、ガッテンガッテン納得です。2021/12/26
ネギっ子gen
49
十字架、仏像、曼荼羅、地獄絵図etc. 聖なる空間や絵画などにより形成された「イメージ」は、宗教の重要な特徴。それを分析する技法が宗教図像学。<宗教はドグマや戒律や教典ばかりで成り立っているのではなく、美術のような感性的なものが果たす役割も大きいということを「イメージトリップ」を通じて実感していただくというのが本書の目標>で、<諸宗教のシンボルや図像、空間的な表象を横断的に眺めて、古典的な宗教の世界観をまた違った角度から紹介することを狙いとしている>と。ダン・ブラウンの小説などを思い浮かべながら読んだ。⇒2021/11/30
Nat
45
諸宗教のシンボルや図象から、様々な宗教の世界観を知ることができる本。知識があると、教会や寺院を訪れた時に、より楽しめると思った。2022/07/17
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