父ガルシア=マルケスの思い出 さようなら、ガボとメルセデス

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父ガルシア=マルケスの思い出 さようなら、ガボとメルセデス

  • 著者名:ロドリゴ・ガルシア【著】/旦敬介【訳】
  • 価格 ¥2,200(本体¥2,000)
  • 中央公論新社(2022/02発売)
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  • ISBN:9784120054839

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内容説明

愛する人たちの死について書くというのは、書くということそのものと同じくらい古い行為のはずだが、いざそれをするほうに自分が傾くと、即座にことばに詰まってしまう。メモを取っておこうと自分が考えていることにぞっとなり、恥じ入りながらメモを取り、メモを修正している自分を見損なう。情動的にかき乱される原因は、父が有名な人だったことにある。書きとめておく必要をおぼえる背後には、この野卑な時代の中で自分自身の名声を高めたいという誘惑が潜んでいるかもしれない。もしかすると書きたいという呼び声に抗して、謙虚に黙っていたほうがいいのかもしれない。謙虚なふるまいというのは、実のところ、僕の一番好きな虚栄の形態なのだ。しかし、書くということに関してよくあるように、主題のほうが書き手を選んでくるという面もあり、抵抗しても無駄なのかもしれない。
――本書より

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

サトシ@朝練ファイト

25
父親が八十歳になったとき、息子が父に八十歳だというのはどんな感じなのかと訊いてみた。「八十歳からの眺めというのは、ほんとに仰天するようなものだ。しかも、終わりは近い」ふむ「果てしない悲しさがあるんだ」なるほど。2022/06/06

梟をめぐる読書

3
ガルシア=マルケスについて書かれた文章が読めるのは恐らくこれが最後だろうという気がして、厳粛な思いで読書に臨んだ。20世紀を代表する小説家であり、すべてのラテンアメリカ人の祖でもあったという作家の最晩年を身内の視点から綴った、克明な記録。数々の傑出した作品を生み出してきた作家が認知症を患い、物語を紡げなくなるどころか自身の物語さえ失っていく。その残酷さ、無常さ。そして訪れる別れの時と、残された家族たちの思い。そこにあるのは普遍的な死別のプロセスであり、父を失った息子の等身大の孤独だ。だからこそ心に刺さる。2022/03/17

羊女

2
百年の孤独は挫折したことがあるが、著者の映画が好きなので手にした本。国民的作家の家族であるという、なかなか得難いさまざまなエピソードと、それでも家族を看取るプロセスにある普遍性。百年の孤独、またいつか挑戦しよう。2022/02/06

Jessica

1
『百年の孤独』の著書、偉大な作家のガルシア・マルケス。その息子による、彼とその妻、メルセデスが亡くなった際の記録。 人を看取るという普遍的なテーマにおいて、本人や周りが死を受け入れていくプロセスというのはその死を見届けること、家族と時間や感情を共有することなのかなと思った。自分の亡くなった祖父を思って涙が出たのと、このコロナでそれが出来なかった人が一体どのくらいいるのだろうと胸が痛んだ。2022/05/25

秋津三郎

0
714 死の間際、記憶をほとんど失ったガルシア=マルケスが描かれるからこそ、そこにはガルシア=マルケスのエッセンスがあるのだと思う。彼が死の床で口にした言葉、浮かべた表情はもちろんのこと、以前の彼ならーーという仮定と回想の形で現れる小さなエピソードのひとつひとつに、人を楽しませる、読むべき価値のあるきらめきがある。中盤はロドリゴが父の死にほとんど陶酔してしまってこちらも読むのが少し辛い。でもまたメルセデスがその陶酔から引き上げてくれる。2021/12/28

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