悪いがん治療

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悪いがん治療

  • ISBN:9784794972934

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内容説明

■その治療、患者の利益になっていますか?

この本は、レベルの低い医療批判本ではなく、
腫瘍内科医によるこれからのがん医療の未来へ向けての提言だ
――日本医科大学武蔵小杉病院・勝俣範之氏推薦

昨今無数に登場しては話題を集める「がんの新薬」は一般社会から高い期待を受けている。しかし、その効果はしばし誇大に説明され、現実を大きく超えた期待を呼び起こしてしまう――

人びとのがん治療のとらえ方が歪めさせ〈悪いがん治療〉に導いてしまう要因とは何か? 現役の腫瘍内科医が、医薬品開発・医薬品行政の根本的な問題を明らかにし、医学で言われる「エビデンス重視」に警鐘を鳴らしながら、患者にとっての真の利益とは何かを考える。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Iwata Kentaro

8
献本御礼。ぼくはオンコロジストではないので、本書の主張の是非を論ずることはできない。が、本書の主張の論拠は実に正しいことはわかる。利益相反の問題、me too drugの問題。HIV/AIDSなんかが最近では典型例だ。歯に衣着せぬ、舌鋒鋭い本で、訳も読みやすい。がん治療のインチキ本を100冊読むより本書1冊のほうがずっとまし。2022/05/11

coldsurgeon

5
副題にあるように、がん治療に関する誤った政策とエビデンスがアメリカにおいて、がん患者を痛めているという。腫瘍内科医師である著者による詳細な事実の提示は、がん化学療法に少しでも関わる身として、のめるこむように読んだ。エビデンス重視といい診療するといえども、経済的利益相反の罠は、知らぬ間に医療従事者の心を蝕むようだ。薬剤臨床使用の認可権を有するFDAでさえ、本来の機能を全うしていない湯だ。化学療法の目的は、無増悪生存期間や奏効率という代理エンドポイントではなく、患者中心エンドポイントの改善であると理解した。2022/04/09

やっこ

0
現在のがん医療システムは、患者の利益よりも利益相反と不適切なエビデンス評価によって駆動されており、高額で効果の限定的な治療薬が次々と承認されることで、患者に真の恩恵をもたらさずに経済的負担を強いている。 がん治療の目的は、可能な限り少ない薬剤を最短期間使用し、副作用を最小限に抑えながら生存期間と生活の質を最大化することである。現在の医療システムは、この根本原則から大きく逸脱している。 2025/08/09

030314

0
免疫療法、チェックポイント阻害剤やCATーT(キメラ抗原受容体発現T細胞)なんかはキラキラした将来性ある療法のように思っていたが、現実はけっこう厳しいのだな、とすこしがっかり。医療者が対象の本だが、一般人が読んでもためになる。例えば、最近の薬の値段の高さには、いくら何でもおかしいと感じている人は多いだろう。米国の政策に物申しているが、日本でも著者のような視点の動きが起こってくれれば良いのにと思う。2022/08/01

大爆笑カレー

0
がん治療についての問題点を一般読者にわかりやすく書かれている良書。がん治療はどんどん高額になっているが、その効果は値段に見合ったものか。新薬が前の薬より「効果がある」とされるのは何によって判定されるか。また製薬会社とステークホルダーの利益相反について。本書では多面的にがん治療の問題点を浮き彫りにする。本書を読めば今まで性善説的に信じていた医療業界に疑問を持つことができる。医療は神格化されている。医者の言うことなら自分の身体も医者に預けてしまう。しかし医療を決定しているのも人だということを忘れてはいけない。2022/02/23

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