内容説明
児童書の出版社で働く香衣は、とあるきっかけで“カフェ・チボリ”を訪れる。そこは土曜日しか営業せず、おまけに店主は高校生という不思議な店だった! 美味しいデンマーク料理とあたたかいもてなしにすっかりくつろぎながら、馴染みの客たちが語る、身の回りで起こった謎に耳を傾ける。それらは『マッチ売りの少女』や『みにくいあひるの子』など、アンデルセン童話を連想させる出来事ばかりで――。風変わりな店主・レンが優雅な仕種でマッチを擦ると、謎はたちまち解かれていく。忙しない日常にひと時の安らぎをもたらす、安楽椅子探偵譚。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
mae.dat
265
アンデルセンな章タイトルの付いた4話連作短編。「チボリ」と言うのは、デンマークのコペンハーゲンにある世界最古のテーマパークで、ウォルト・ディズニーも自身のテーマパークを建設する際に参考にしたそうです。著者内田純さんは訪れた時の感動が醒めなかったみたいで、本書執筆の原動力みたいですよ。設定等にも様々な影響を与えているって。お陰で本書の中には、デンマークの料理や小ネタが多々盛り込まれていますよ。そして内容は、日常ミステリーの安楽椅子探偵ものになっているのね。終話はそれ迄の総決算にもなっていますが。ごっ、剛腕。2025/10/30
ゆのん
65
森の中を通っていくと現れる、まるで童話のお菓子の家の様なカフェ・チボリ。素敵な内装に、高価な食器、メニューはデンマーク料理。4編から成る短編はアンデルセンの物語を思い起こせる様な日常ミステリー。こんな素敵なカフェが近くにあったら通い詰めてしまいそう。毎日の忙しい日々、各々が抱える心配事や悩み事もカフェ・チボリのヒュッゲがあれば大いに癒されそう。2022/04/11
涼
60
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2024/04/post-d7fbc5.html 収録作から判るように、アンデルセンの童話を元にして、ちょっとした謎を仕掛けてあります。 それを客たちが推理し合い、最後は店主が解くという趣向です。2024/04/22
ぺんぎん
60
アンデルセン童話、デンマークの料理やその国にまつわる話が興味をそそられる。きっとカフェの内装も素敵なんだろうなぁ。常連さんたちが行くたびに謎解きしてるって実際は行きづらいかもだけど、1度はお邪魔してみたい雰囲気。2022/05/30
yukaring
53
カフェ・チボリへようこそ❗️店主は天真爛漫な男子高校生、営業は店主の学校のない土曜日のみ。美味しいデンマーク料理と暖かなおもてなしと謎解きがクセになる不思議なお店。児童書の出版社で働く香衣はこのお店の常連客。同じように常連になった客2号3号達と身近に起こった謎を語り合うが、店主のレンがマッチを擦ると謎解きタイムでたちまち謎がほどけていく。サクサクのデニッシュやプリプリ小エビとチーズのオープンサンドなど、出てくる料理が美味しそう過ぎてお腹が空いてくること間違いなし🍴こんなカフェ近くにあったらいいのにな😆2022/09/18
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