内容説明
AI(人工知能),生物の進化,宇宙に存在する暗黒物質--これらまったく異なる研究分野を,同じ窓から読み解く方法があります.数学を共通言語にさまざまな事象を理論的に解明する方法,数理です.数理の窓から見えるそれぞれの世界を,自らの進路選択や研究の魅力を交えながら,若手研究者たちが瑞々しい感性で紹介します.
目次
まえがき(柴藤亮介)┴序章 数理の窓から世界を眺める(初田哲男)┴第1章 「数のふしぎ」のその先へ(宮﨑弘安)┴数のふしぎをみる実験┴数の原子、「素数」┴フェルマーの小定理┴素数は全部でいくつある?┴北極星を追って┴無秩序の中にひそむ秩序┴フェルマーの挑戦状┴数の夜空を彩る星座 素元星座定理┴無数に広がる数の世界┴数の「かたち」をめぐる旅 数論幾何学┴地球とドーナツはどう違う?┴曲線なのか面なのか┴ドーナツの穴から解をのぞく┴ドーナツの上には何が住む?┴整数たちの「安住の地」 数論幾何学┴数学禅問答 空間が先か、関数が先か┴数のふしぎのその先へ┴第2章 人工知能に絵を描かせる方法(田中章詞)┴まずはじめに┴人工知能とは何か┴SF的人工知能の難しさ┴人工知能の実際┴例・迷路を解くプログラム┴機械に学習させる┴機械学習で絵を描かせる:生成モデル┴生成モデルを作るとなぜ嬉しいか?┴いろいろな翻訳が可能になる┴データを「増やす」ことができる┴環境の動きを予想させることができる┴具体的な生成モデル┴物理学を用いたモデル、ボルツマン機械┴深層学習┴敵対的生成ネットワーク┴条件付きの生成モデル┴条件磁場付きのボルツマン機械┴条件付きの敵対的生成ネットワーク┴絵から別の絵への変換┴教師不要の衝撃┴機械学習のこれから┴少数データをどう取り扱うか┴解釈可能性┴知能について、再び┴第3章 数理で読みとく生物進化(入谷亮介)┴生物の多様性に法則はあるか?┴氏か育ちか┴カエルの子はカエル、ダックスフンドの子はダックスフンド┴みんな同じ?┴突然変異で違いが生じる┴偶然から必然へ┴適応進化の法則と自然淘汰┴生物はみな、うまくできている┴研究者の仕事と、研究者になるまでの道のり┴身近な「進化」┴生物のデザインを実装する「バイオ・ミミクリー」┴適応進化をいかに数式で表すか┴数理モデルって何だろう?┴進化の数理の大胆さ┴ゲーム理論の登場┴生物の進化ゲーム┴勝負の決着┴進化の平衡状態とは?┴進化ゲーム理論の具体例1 男女比の進化┴男女比の適応進化の数理モデル┴突然変異が不利とは? 進化的安定性とは?┴進化ゲーム理論の具体例2 移動分散の進化┴ホーム市場・アウェイ市場 どちらに投資?┴高校数学を使った適応進化研究の魅力┴〔コラム〕自然淘汰の「功罪」┴第4章 暗黒物質の色は何色? 見えないモノを調べる方法(廣島渚)┴はじめに┴見えないモノの存在┴モノが見えるということ┴暗黒物質の探し方 物理学者の挑戦┴暗黒物質探査の今後 3つの戦略のシナジー┴まとめにかえて┴〔コラム〕暗黒物質と暗黒エネルギー┴〔コラム〕色々な候補┴あとがき(柴藤亮介)┴著者おすすめの本┴執筆者紹介
感想・レビュー
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