内容説明
わが国は古くから水害に悩まされてきた.水害を防ぐための多くの苦心と努力にもかかわらず,水害そのものは一向になくならないばかりか,むしろ被害も大きくなってきているようにみえる.大がかりに国土に手を加えることによって,恐るべき水害の要因をつくり出してはいないか.水害史をふり返りつつ,新たな水害について警告する.※この電子書籍は「固定レイアウト型」で作成されており,タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています.また,文字だけを拡大すること,文字列のハイライト,検索,辞書の参照,引用などの機能は使用できません.
目次
I 水害の重荷を負う日本┴II 戦後の水害をふり返る(その一)┴1 水害をどうとらえるか┴2 利根川の大洪水 カスリン台風┴3 筑後川の大洪水 梅雨前線豪雨┴III 戦後の水害をふり返る(その二)┴1 都市水害の本格化┴2 伊勢湾台風┴3 神戸の宿命┴4 加治川の連続水害┴5 中小河川水害の一典型 千葉水害┴IV 明治以来の治水思想┴1 明治政府の河川事業┴2 民間治水論┴3 治水論の推移┴4 ダム登場以後┴V 激化する都市水害┴1 東京水害を警告する┴2 都市水害はなぜ激化したが┴3 都市河川治水は難しい┴VI これからの水害にどう対処するか┴1 これからの水害┴2 これからの治水への要望┴3 住民と水害┴4 われわれにとって自然とは何か┴あとがき
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ごーや
2
50年前の本。最近の豪雨災害を機に打ち出された「流域治水」の重要性は、明治期デレーケによって既に指摘されていたこと、筆者も繰り返しその重要性を指摘していることを踏まえると、今後の水害対策を考える上で、日本の治水思想を振り返ることの意義はあるだろう。明治〜昭和40年代の水害事例地域を丹念に説明し、時代ごとの被害の変遷を追うことで、明治以降変わらない技術者に支配的な治水思想、近代化や都市化に伴う国土の変貌が水害拡大の要因だと主張している。では、現在の低成長時代の水害は、どのような論理で説明できるのだろうか。2020/07/21
YN
0
未だに古びない内容。縦割り、或いは部分的な対応の弊害は半世紀前に分かっていたが、未だその課題は残る。流域治水の考え方も広まりつつあるが、国土の変容にその施策は追い付いていない。2020/10/13
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