岩波新書<br> 太平洋戦争陸戦概史

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岩波新書
太平洋戦争陸戦概史

  • 著者名:林三郎
  • 価格 ¥1,166(本体¥1,060)
  • 岩波書店(2022/02発売)
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  • ISBN:9784004131342

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内容説明

太平洋戦争の陸戦の全局面を,物動,編成,兵器,動員人員などあらゆる角度からはじめて総合的に把握し,記録した画期的な書.元陸軍大佐で参謀本部の中枢にあり,敗戦時陸相の秘書官であった著者が,苦労をはらい収集した豊富な資料を駆使して正確に記述する.

目次

第一章 日米開戦までの陸軍の歩み┴第一節 国防方針の策定と作戦方針の変更┴第二節 満洲事変の勃発と陸軍部内の変化┴第三節 在満兵備の強化┴第四節 蘆溝橋事件の発生と不拡大、現地解決の不成功┴第五節 ドイツを仲介とする日華調停の失敗と不拡大方針の放棄┴第六節 汪精衛工作と対重慶和平工作の失敗┴第七節 ノモンハン事件┴第八節 三国同盟の成立とその影響┴第九節 日ソ中立条約の締結と関特演┴第十節 南部仏印進駐とその反響┴第十一節 陸軍の情勢判断と軍備┴第十二節 日米交渉の決裂┴第二章 南方作戦準備┴第一節 戦闘序列の下令┴第二節 作戦計画の要旨┴第三節 開戦直前の態勢┴第三章 南方第一段作戦の成功┴第一節 作戦経過の概要┴第二節 第一段作戦成功の原因┴第四章 第一段作戦の末期からその直後にかけての大本営┴第一節 戦争指導上の問題┴第二節 作戦指導上の問題┴第三節 情勢の判断┴第四節 陸軍兵力の整理┴第五節 南方軍の防衛態勢の確立┴第五章 中国方面の作戦(その一)┴第一節 中国の戦力に関する判断┴第二節 大本営の事変処理に関する腹案┴第三節 浙鋻作戦┴第四節 重慶作戦の中止┴第六章 ポート・モレスビー作戦、ミッドウェイ作戦、アリューシャン作戦┴第一節 ポート・モレスビー作戦┴第二節 ミッドウェイ作戦┴第三節 アリューシャン作戦┴第七章 ガダルカナル島作戦┴第一節 作戦の発端┴第二節 数次にわたる海戦┴第三節 作戦経過の概要┴第四節 作戦方針の変更┴第五節 「ガ」島からの撤退┴第六節 「ガ」島作戦失敗の原因┴第七節 「ガ」島撤退後の南太平洋方面の戦況┴第八章 独伊との協同┴第一節 共同戦争計画の欠如┴第二節 作戦協力の不十分┴第三節 岡本使節団の派遣┴第九章 南部太平洋戦線の後退┴第一節 米英軍の対日反攻判断の再検討┴第二節 戦争指導大綱の変更┴第三節 作戦指導方針の変更┴第四節 北部ソロモン群島およびニューギニア方面の作戦┴第五節 中部太平洋方面の作戦┴第六節 濠北方面の情況┴第十章 統帥と国務との調整問題┴第一節 東條大将の参謀総長親補┴第二節 航空機の増産問題┴第三節 船舶問題┴第四節 陸海軍間の作戦連絡の緊密化┴第十一章 中国方面の作戦(その二)┴第一節 雷州半島に対する作戦┴第二節 シナ派遣軍の新任務┴第三節 新作戦に関する研究┴第四節 作戦経過の概要┴第五節 在華米空軍の対日爆撃┴第十二章 インパール作戦の失敗┴第一節 ビルマ方面の作戦構想の変遷┴第二節 大本営ビルマ作戦を認可┴第三節 作戦経過の概要┴第四節 インパール作戦失敗の原因┴第五節 米英軍の新戦法┴第十三章 マリアナ諸島の喪失┴第一節 ニューギニア方面の戦況┴第二節 マリアナ諸島の作戦┴第三節 善後策の決定┴第四節 マリアナ諸島作戦の失敗と陸軍┴第五節 米軍上陸戦法の概要┴第六節 東條内閣の総辞職┴第十四章 日本本土の防備強化┴第一節 サイパン喪失直後における応急的措置┴第二節 捷号作戦準備の開始┴第三節 上陸防禦戦法の変更┴第四節 陸海軍航空兵力の統一運用問題┴第五節 兵器に関する二、三の問題┴第十五章 フィリッピンにおける決戦の失敗┴第一節 ペリリュー島とモロタイの戦闘┴第二節 フィリッピン方面の作戦準備┴第三節 レイテ島決戦の概要┴第四節 レイテ島決戦の失敗とその原因┴第五節 ルソン島作戦方針の変更┴第六節 南方軍総司令部サイゴンへ移動┴第七節 ルソン島持久作戦┴第十六章 南方諸地域(フィリッピンを除く)の作戦┴第一節 南方軍の基本的任務の変更┴第二節 仏印の処理┴第三節 その後におけるビルマ方面の戦況┴第四節 ボルネオ方面の戦況┴第五節 その他の正面の情況┴第十七章 硫黄島および沖縄島の喪失┴第一節 硫黄島の作戦┴第二節 沖縄島の作戦┴第三節 空襲の激増┴第十八章 中国方面の作戦(その三)┴第一節 中国兵備の変更┴第二節 西方に対する作戦┴第三節 一部兵力の満鮮方面転用と華南戦面の整理┴第四節 終戦直前ごろの情況┴第十九章 日本本土における決戦準備┴第一節 陸海軍の統合問題┴第二節 昭和二十年春ごろにおける国力判断┴第三節 本土兵備計画の概要┴第四節 四月ごろにおける東亜情勢判断┴第五節 本土作戦準備計画の大要┴第六節 航空作戦運用計画の大要┴第七節 米海空軍の日本本土攻撃┴第八節 米空軍の原子爆弾攻撃┴第九節 終戦直前ごろにおける概略の態勢┴第二十章 満鮮方面の情況┴第一節 太平洋戦争間における極東ソ軍の動静┴第二節 昭和二十年における対ソ情勢判断┴第三節 満鮮兵備の変遷┴第四節 関東軍の作戦任務の変更┴第五節 ソ軍の対満侵入┴第二十一章 敗戦┴第一節 戦況悲観論の低迷┴第二節 陸軍内部で試みられた和平工作┴第三節 本土決戦論┴第四節 終戦時ごろの陸軍┴第五節 復員┴太平洋戦争陸戦関係日誌

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

nnpusnsn1945

39
70年前に出た本ゆえ、旧字体が少々読みづらい。が、今読んでも十分使える本である。説明不要なガダルカナル及びインパールから、中国、本土等もカバーしている。「全員玉砕した」など記述が単純な所はあるが、作戦に対する問題点はしっかり押さえている。著者は元陸軍大佐だが、堀栄三少佐の戦記によると、大本営の作戦課に不満を持っていたらしい。戦争について調べるならば、座右に置いておくとよい。海戦については、高木惣吉の「太平洋海戦史」を、部隊や損害も知りたいなら、陸戦も海戦もカバーした「太平洋戦争主要戦闘事典」をお薦めする。2021/01/09

CTC

14
51年岩波新書。著者の林三郎元大佐は陸大卒で阿南大臣秘書官などを務めた。雑誌の名著特集などではよく名が挙がる本書、確かに盧溝橋事件から阿南自決まで、主な陸戦について編成や動員兵力と損害、或いは工業生産力などが記されていて、刊行年を考えると画期的だったと理解できる。旧字体の漢字オンパレードで雰囲気があるのも現代ではポイントになるだろう。南方占領の一段作戦が成功した事を「東亞には聯合軍の精鋭な大兵力が駐屯していなかった」、と冷静に記すなど、当時にあって当たり前のことを当たり前に記しているところが名著の所以。2019/11/13

oz

7
本書は陸軍大学校卒で軍の中核にも居た著者が、1951年というまだ当事者のほとんどが存命の時代に著したもので、現代の組織論や日本人論としても多くの示唆を含む良書です。日本陸軍という組織は平時の維持に優れていても、難局に対抗するフレキシブルさが決定的に欠けていました。それは戦国時代には農民でも能力主義で重用するフレキシブルさを見せていた武家社会が、天下泰平の江戸時代には一気に身分制社会へと硬直化していったことにも似ます。派閥、学歴、経歴が物を言い、厳然なセクショナリズムは組織の自己改革の可能性を奪いました。2019/10/04

瓜月(武部伸一)

5
アジア太平洋戦争での日本の死者は軍人が200万人、民間人が50万人以上、そしてアジア各国民衆の死者は2000万人以上。この膨大な死の責任がどこにあるのか。国も日本人も未だに明らかにしていないと僕は思う。戦後75年が経つのに。誰に責任があるのか。問われなければならない。全ての死者のために。そのための読書を再開しようと手に取った1冊。著者は参謀本部に勤務、阿南陸軍大臣の秘書官も務めた高級陸軍将校。1951年初版。読了し改めて当時の軍首脳部の見通しの甘さに驚く。なぜこんな軍が戦争に突入したのか。問いかけは続く。2020/07/03

wei xian tiang

5
改めて省部対立の不毛さよ。陸海軍不和云々以前、軍の独走云々以前の問題。所で本土決戦に向けた配備表に第53軍が懐かしや、伊勢原北方玉川村とある。調べると司令部は玉川小学校におかれたという。ならば現厚木市であり、wikipediaに終戦時所在地伊勢原市とあるのは誤りであり、正さねばならない。2014/10/14

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