内容説明
「分割・民営」の名で何がなされたか? 100兆円の資産に群がった政財界の動きとそれに翻弄された労働現場を克明に追うルポ! ーー国鉄がJRに変わる前後に何が起きていたのか? 「分割・民営」という名で、100兆円の資産に群がった政財界の動きと、「国鉄処分」の陰で4万人の希望退職者と100人以上の自殺者を出した労働現場の素顔を、克明に追う。あわせてJRのなかで進行する知られざる実態を、深刻に問う渾身のルポルタージュ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
coolflat
7
国鉄民営化は、国鉄労組の壊滅、ひいては総評の壊滅を狙って行われたものだと、当時、これを行った中曽根は言っているが、国鉄民営化、つまり国鉄処分とは、国労組合員への徹底した差別だったわけだ。「国労にいると採用されない」と露骨に組合脱退を迫られ、結局、国労組合員というだけで新会社には不採用。この露骨な組合潰しが、現在に至る非正規雇用などの労働差別に繋がっていることを今一度認識する必要がある。しかし当時、これだけの露骨な組合潰しがあっても、世間が無関心だったことに驚愕を覚える。結局、今も昔も世間はいつも無関心だ。2015/01/13
早乙女
1
学生時代以来、久々の再読。最近のJR北海道の不祥事だが、そもそも分割すれば本州以外はやっていけないのは当時から解っていたはず。それを無視しての報道には違和感があった。そして改革・民営化の名のもと行われた異常で陰湿な国労潰しと人権無視。その反省のないまま放置してきた故に今の荒廃がある。2013/11/09