内容説明
人類史上かつてない広大な地域で戦闘が行われた第二次世界大戦の欧州大戦。ヒトラー、スターリン、チャーチルの戦略と野望、そして誤算──。彼らに蹂躙された、欧州・中近東19カ国「周辺国」の視点から、大戦の核心を多面的・重層的に描く。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
skunk_c
59
秘史というよりは、歴史教科書などで殆ど取り上げられない、周辺国での戦争や様々な政治混乱を、地域ごとにまとめて記述したもの。ある程度のスパンをとった歴史として語られているため、それぞれの地域の戦間期・戦争期の簡潔な歴史としても読める。例えばシベリア出兵の口実とされたチェコ軍団の由来なども触れられており、勉強になった。大戦中の状況は様々な大著にはバラバラに示されているが、こうして地域ごとに整理されているのはありがたい。物事を考える前提としての知識の整理に有用と思う。小国の悲哀はウクライナを思わずにいられない。2022/04/07
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56
🌟🌟🌟☆☆。着眼点が面白い。第二次世界大戦中、所謂大国ではないヨーロッパの周辺諸国は一体どうしていたのか。それを10章に分けて各国から見た大国の脅威の大きさを知る。著者は戦記物を書いているからか短編小説を読んでいるような気になる。例えば杉原千畝の話が舞台のリトアニア。須賀しのぶ著『また、桜の国で』の舞台、ポーランド。ソフィン戦争を扱った映画『アンノウン・ソルジャー』の舞台、フィンランド等々、これらの作品に触れる前にこの本を押さえておくと物語の大枠の輪郭を捉える事が出来る。奥行き、広がり、深みも増す。2022/06/04
nagoyan
16
優。第二世界大戦というと、英仏独伊ソ米の大国の動向に偏りがちだが、著者は「周辺国」を主役とした第二世界大戦史を描く。本書で取り上げられるのはポーランド(1章)、フィンランド(2章)、ノルウェー・デンマーク(3章)、オランダ・ベルギー(4章)、ハンガリー、ルーマニア、ブルガリア(5章)、バルト3国(6章)、ユーゴスラヴィア(7章)、ギリシャ(8章)、チェコスロヴァキア(9章)、中近東(10章)の諸国で、終章で戦後まで描く。フィンランドは、マンネルヘイムの活躍により辛うじて国を保つ。その他は暗い気持ちになる。2022/02/19
Porco
15
独伊や英仏ソ以外の、これらの大国に挟まれた欧州の中小国と、中近東の国々•地域が経験した第二次世界大戦を描いています。一言で言えば翻弄され続けたわけですが、どうすればよかったのか、なかなか難しいです。2023/12/04
ジュンジュン
15
タイムリーな一冊(ウクライナ情勢を考えると)。「大国」に翻弄される「周辺国」のWWⅡ史。視点が変わると、こんなにも知らない事が多いのか。歴史の奥深さを知る。中立の北欧(ノルウェー・デンマーク)が巻き込まれた原因は、たった一つの港。東欧の複雑に絡み合う思惑と憎悪、等々。著者の読みやすい文章と地図で、新知見を得た。強者には強者の論理があるように、弱者にも”負けられない戦い”がある。大国だろうが小国だろうが祖国に捧げた血に濃淡はないはず。そんなことを気づかされる一書。2022/07/26
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