内容説明
大気圏では、多種多様な微生物が空を飛んで何千キロも旅をしている。彼らは、どこからやってきて、人間にどんな影響を与えているのか。気球や飛行機、ヘリコプターを使った独自の微生物採取手法を開発した著者が、実験・研究の工夫、苦労、成功談などをおりまぜながら、大気中の微生物の意外な移動の軌跡と、彼らの気候や健康、食べ物、環境などへの影響を探る、異色サイエンスノンフィクション。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やいっち
77
著者(おわりに)によると多くの人に楽しく読んでもらえるよう三点工夫したとか。①「私が携わってきた研究の経験談を時系列に並べ、一緒に観測や調査に臨んでいる気持ちになるようにエッセイ風に。」②折々の「セクションで、研究に関連しなさそうなエピソードや映画、小説などで始めることで、研究活動そのものになじみのない方でも話に入りこんでいただけ」るように。③本文を読まなくても、図の写真や絵を見れば、バイオエアロゾル研究の雰囲気を味わってもらえるようにし」た。2022/02/20
鯖
21
気球やヘリで大気中の微生物を採取し、その気候や環境等への影響を探る。黄砂は春の海のはらぺこ植物プランクトンを増殖させる力を持ち(秋の満腹プランクトンにはあんま影響なし)、秋芳洞の鍾乳石は最近になって見学者のために常時照らされるライトによって微生物が繁殖したことで緑色と化している。知らないことばっかりで面白かった。後、先生の文章がものすごく面白い。2022/01/15
月をみるもの
11
コロナ の空気感染 ( https://news.yahoo.co.jp/articles/02899e610fb5c0407016bb6db2cfce0a334aae5c ) とか、パンスペルミア仮説とか ( https://www.isas.jaxa.jp/feature/forefront/171213.html ) いろんな発展の方向性がありそう。2022/05/17
kuukazoo
10
面白い。同じ版元の「先生!」シリーズの小林先生に並ぶ書き手と思う。随所にぶっこまれる小説アニメ映画ネタに笑う。もやしもん好きな人には合いそう。大気中を浮遊する微生物(バイオエアロゾル)については未知の部分が多くサンプル収集の工夫や苦労エピソードがおもろかしい。世界各地でバイオエアロゾルの種類は違い黄砂の多い日は日本でもタクラマカン砂漠やゴビ砂漠由来の微生物が増える。大気中の微生物のサンプルから納豆菌の仲間を発見して納豆を作りアジア発酵文化圏におけるバイオゾルの働きに思いを馳せる。先生の今後のご活躍を祈念。2022/02/23
荒野の狼
8
微生物学者の牧輝弥 近畿大学教授の著書。2023年の日本ウイルス学会で著者の講演を聞き、興味をもったので本書を購入。内容は一般読者を対象としているが、豊富な写真と図で科学的な部分はわかりやすく解説しており、二日ほどで読了できる。本書では、著者の研究の発展が時系列に書かれており、ひとりの研究者が、どのように研究分野を展開させていったのかが自伝を読むように楽しめる。また、これらの話に、人気の映画や小説の挿話が折り込まれており飽きさせない。2023/11/02
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