内容説明
かなちゃんのお母さんが「しゅじゅつ」をすることになって、4さいのかなちゃんが、ひとりでうちにくることになった。お兄ちゃんもお母さんもお父さんも、みんな「かなちゃん、かなちゃん」って、ひいきばっかりする。なこが学校の宿題をやっても、「なこはもう一年生でしょ。お姉さんじゃないの」って言われて、だれもほめてくれないのに。かなちゃんのお姉さんになった覚えなんかないのに!
ちょっぴり大人になった6歳の女の子の繊細な心理を明るく描く。ささやかで愛おしい、一夏の成長の物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みつばちい
29
お母さんが入院中のかなこちゃんを預かったら、みんなやたら可愛がったり褒めたり.一年生の主人公なこはおもしろくない。特にお兄ちゃんは自分よりその子が妹ならよかったと思ってるみたいで、、?気に入らないなこは家出をしようとする。私も従兄弟たちの間で一番年下で可愛がられていた時期が長くあり、下に従兄弟が生まれてみんながその子ばかりかわいがりだしたのをみて、すごく嫉妬した。でもある時私のお話にその子が大笑いして懐いてくれて、心から可愛い!お世話してあげたいと思えた瞬間があり、そこからお姉さんになれたのを思い出した✨2022/11/09
ケ・セラ・セラ
20
それまで親の愛情を一人占めだったのに、妹や弟の誕生によって変わってしまい、やきもちを妬く。よくあることです。こちらも同様。自分よりも年下の子がやってきたことで、家の中で一番幼かった立ち位置が揺らぐ。お父さんもお母さんもお兄ちゃんも、みんながその子のことをかまう。兄妹だからこそ遠慮ない接し方をするわけで、お兄ちゃんがいい味出してます。いとうみくさんはいつもながら上手い。低学年向け児童書。2023/01/14
杏子
19
いとうみくさん!さすがいい話を書かれますね!よその家から預かった4歳のかなちゃんに、ひいきする!みんな、とられちゃう!と、傷つくなこの気持ちはわかるなぁ。子どもの頃、似たような気持ちを抱いたことがあった!誰もが経験するような話を、まるで自分のことのように感じられるのがいい!2022/03/15
遠い日
12
なこの家で4歳のカナちゃんを預かることになった。かなちゃんが来てからの家の人の態度に、1年生のなこの心中は複雑。強いて言えば、赤ちゃん返りのような嫉妬の感情にぐらぐら揺れる。これは新しくペットが来た時なども同じような態度に出る子どもがままいると聞く。散々荒れて、叱られて。ぶつかったお兄ちゃんに、なだめられて。でも、お母さんがいない寂しさをこらえている小さなかなちゃんを、守るべき存在と認識した時、なこの中にも親愛の情がわく。いとうみくさん、子どもの心の襞を濃やかに描いて、さすがです。2022/02/17
魚京童!
11
言葉が過ぎる。2024/04/16