京都の災害をめぐる

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¥1,760
  • 電子書籍

京都の災害をめぐる

  • 著者名:橋本学/大邑潤三/加納靖之
  • 価格 ¥1,320(本体¥1,200)
  • 小さ子社(2022/02発売)
  • ポイント 12pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784909782038

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内容説明

歴史の中に埋もれた災害の事実を、地図と写真とともに解説する、今までにない京都案内。
京都市内と淀・宇治・南山城地域の、以下のような地点180件について、1点1点カラー写真と解説文で紹介しています。
・災害の爪痕や、過去の災害に対する人々の思いを感じることのできる地点
・痕跡はなくとも、史料や記録によって災害の記録を残している場所
・その他災害・防災についての理解を深められる場所
・防災や歴史学習に役立つ施設など

史料・歴史用語、固有名詞には丁寧にルビをふり、過去の地震の概要や、地震現象・測量について解説したコラムも充実しているので、中学生以上の防災学習にも最適。

これから起きるかもしれない災害へ、備えの「スイッチ」を入れるために――
さあ、京都の災害探検に出かけよう!

目次

■まえがき 橋本学

■近世以降京都を襲った主な災害の概要
1596年 慶長伏見地震
1662年 寛文近江・若狭地震
1788年 天明京都大火
1830年 文政京都地震
1854年 伊賀上野地震
1864年 元治の大火
1885年 明治18年の水害
1934年 室戸台風(第一室戸台風)
1935年 京都大水害
1953年 南山城水害

■全域地図

■左京北部
K-NET 広河原観測点
鞍馬寺
北山と黄砂
旧岩倉村
宝が池の電子基準点
御蔭神社
音羽川砂防学習ゾーン
上賀茂神社(賀茂別雷神社)
水害紀念碑
上賀茂橋上流右岸堤防
半木神社(流木神社)
京都府立京都学・歴彩館
賀茂川堤防
賀茂街道の松並木
落差工
下鴨神社(賀茂御祖神社)
出町柳の柳
鴨川公園
河合橋
京都大学総合博物館
京都大学時計台(百周年時計台記念館)
【コラム1】地震をどうはかる?

■御所・左京南部
本禅寺
清浄華院 供養塔
梨木神社 染井の井戸
史跡御土居(蘆山寺)
寛文新堤
圓通寺 供養塔
PICK UP 京都御所
  1文政の地震の被害
  2地震の原因に関する怪しいうわさ
  3泉殿・地震殿
  4堺町御門
  5石薬師御門
  6三条西家
  7蛤御門
  8柳原紀光が見たオーロラ
中御門京極(寺町通丸太町上る)
京都市歴史資料館
下御霊神社
行願寺(革堂)
銅駝の水
長州藩邸跡
檀王法林寺裏門前
三条大橋
鳩居堂
聖護院門跡
聖護院村
法勝寺九重塔の基壇の石(京都市動物園)
二条川東の寺町
白川橋
【コラム2】天明の大火における松平信道の活躍

■上京・洛北
鷹峯
立命館大学 歴史都市防災研究所
北野天満宮
船岡山
水火天満宮
妙蓮寺 慰霊塔
旧西陣小学校 花壇 記念碑
本隆寺
昭和十年水害浸水被害記念碑
北舟橋町
京都市考古資料館
浄福寺
一条戻橋
出水通
京都府庁
京都府庁近くの一等水準点
西陣空襲
古典の日記念 京都市平安京創生館(京都アスニー内)
【コラム3】三条柳馬場で地震を体験した武士の話

■右京
仁和寺
妙心寺麟祥院
天神川・御室川
御室川治水碑
神護寺
愛宕神社
愛宕参詣道の茶屋
清凉寺
天龍寺
渡月橋
戸無瀬の滝
【コラム4】桂離宮の水害対策

■二条城・西京
PICK UP二条城
  1液状化
  2堀・石垣
  3番衆小屋
  4唐門
  5二条城の防火
二条西洞院町
神泉苑
京都地方気象台
京都地方合同庁舎
Hi-net 京都観測点
西院小学校 風災記念碑
高山寺 風災慰霊塔
【コラム5】デジタルアーカイブの利用

■下京・洛南
橋弁慶町
霰天神山
長刀鉾町
佛光寺
永養寺
樋口富小路(万寿寺通富小路)
亀山稲荷神社(亀山藩邸跡)
平安京烏丸綾小路遺跡
東本願寺
本圀寺跡
西本願寺
興正寺
平安京皇嘉門大路
東寺百合文書
京都市市民防災センター

■東山
東山と『方丈記』の地震
将軍塚
知恩院
知恩院前 師弟愛の像
大谷本廟 師弟愛の碑
京都女子大学 師弟愛の像
観亀神社
白川
仲源寺
四条大橋
団栗辻子
恵比寿神社
松原橋
森下町
五条大橋
若宮八幡宮
五条坂
清水寺の回廊
音羽の滝
地主神社
音羽川
馬町空襲
方広寺石塁
耳塚
鴨川の浚渫
七条二宮町
七条大橋
伏見街道一ノ橋
【コラム6】地震のおかげで土地を手に入れた公家の話
【コラム7】活断層の調査

■伏見・淀
K-NET 京都観測点
京都市青少年科学センター
桃山高等学校 風災記念碑
ほか

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

chang_ume

9
デジタルアーカイブを活用した京都災害データベース。さまざまな地点で、江戸後期「文政京都地震」(1830年)の被害が顔をのぞかせて興味深い。文政京都地震は、規模のベンチマークとして後世言及されることもあり、近年の東日本震災・阪神震災のように一種の記念的な災害だったのだろうか。あまり知られていない地震だろうが要記憶な災害。大火といった火災に比べて、地震被害が現代の京都で語られることは意外にも少ないが、歴史的に見てむしろ地震被害が各所に刻印された都市だった(石灯籠の転倒痕が代表的)。2019/11/17

アメヲトコ

9
千年の都という言葉の響きとはうらはらに、数多くの大災害に見舞われてきた京都。その京都市と山城エリアに残る災害の痕跡を地図と文章で解説したガイドブックです。コンパクトな体裁ながら非常に教育的なつくりで、各解説文にはこまめに参考文献が示されてより詳細な議論にアクセスできるようになっていますし、近年公開が進んだデジタルアーカイブを積極的に活用し、その可能性も示してくれています。災害史のみならず地域史入門としても有用な一冊です。2019/10/26

kira

4
一見目立った自然災害もなく平安に感じること京都。しかし、史料を紐解けば、水害・地震・火災に襲われ続けたことが見えてくる。ーー学生時代を京都市内で過ごしたのだけど、この本片手に京都を歩いてみるのも、人々が生きた証を感じられて楽しかっただろう。2020/03/13

田中峰和

3
千年の都は、当時の文献も多く自然災害だけでなく、大火の被害報告も数多く残されている。エリア別に名所の被害規模が記録されているが、悲惨な状況からその後の復興で現状があることを思うと勇気づけられる。同じ浄土真宗だが、部分的な火災を一度しか経験しなかった西本願寺と比べ、東本願寺が4度の大火に寺院を焼失した不運に同情する。国宝の建造物を多く残す西本願寺に比べ、明治以降に再建された東本願寺の建造物は重要文化財でしかない。両寺院とも同じ時期に大屋根の修復をしたが、国の援助が少ない東本願寺は工事費の捻出に苦労した。2020/05/30

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