内容説明
レイプを告発する衝撃作。全女性必読! 「あの男」を裁く! 女は訴え、闘い、傷つき、多くを失った。あなたなら、その時どうする? ーー沈黙を守ることは、犯人と共犯になってしまう……最後の誇りが、路子を告訴に踏み切らせた。襲った犯人はすぐ割れたが、男は和姦を主張。事件は裁判に持ち込まれた。被害者であるのに過去を暴かれ、好奇の目に晒され、路子は職場を、恋人を、ささやかな日々を失った。強者の論理、レイプを告発する問題作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
扉のこちら側
65
2016年987冊め。強姦被害者の女性が法廷に立つという戦い。被害者であるのに「交際歴」「処女か非処女か」といったプライバシーも丸裸にされる悲劇。事件もそうだが、彼女の心を踏みにじった点では去っていった恋人も同罪である。数ある犯罪の中でも表面化されにくいという点でも、恐ろしい犯罪である。もう一編のタケノコ族の少女と老人の交流はほっこりする。2016/11/13
toko1968
10
フェミニストの友人の紹介で古い本ですが読んでみました。昭和後期の作品ですが現代では考えられないような男女差別の実態が浮き彫りにされています。レイプ裁判なのに被害者が処女か非処女か、女性が仕事で遅い時間に帰宅することが問題だとか、闘っている彼女の恋人は見捨てて去っていくとか、犯罪の裁判なのに全く本質から外れた論理で弁護士は犯人を弁護し、加害者の家族は謝るどころか起訴を取り下げろと強要してくる。全く考えられない話だが、こんな時代もあったし、今でもあまり変わらない考え方の男はいるのかも、と思った。2020/06/01
chii
2
路子がレイプを告発するお話。被害者なのに、裁判になるとプライバシーを暴露され、すべてを失ってしまう。なんか~読み終わった後、どんより~~です。。2009/10/03