講談社学術文庫<br> デカルト 「われ思う」のは誰か

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講談社学術文庫
デカルト 「われ思う」のは誰か

  • 著者名:斎藤慶典【著】
  • 価格 ¥715(本体¥650)
  • 講談社(2022/02発売)
  • ポイント 6pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784065270691

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内容説明

本書は、現象学を土台にして幾多の哲学者や思想家を扱ってきた第一人者が「近代哲学の祖」ルネ・デカルト(1596-1650年)との「対話」に挑んだ記念碑的な1冊です。
よく知られているように、デカルトはあらゆる学問を修めた末、そこに自分が求める「真理」はないことを悟りました。そうして「世界という大きな書物」と向き合うために旅人として生きることを選んだものの、やはりそこにも「真理」を見出すことはできませんでした。そうしてたどりついたオランダの地で、まさに生死を賭けた思索に取り組むことになります。それが、少しでも疑いうるものはすべて斥けて「絶対に疑いえない」ものを目指す「方法的懐疑」と呼ばれる思索でした。
その過程でたどりついたのが「われ思う、ゆえにわれあり(私は考える、ゆえに私は存在する)」という、よく知られた命題にほかなりません。しかし、それは決してデカルトが到達した最終結論でもなければ、デカルトが求めた「真理」でもありませんでした――本書は、そのことを哲学者との真摯な「対話」の中で明らかにしていきます。この命題はデカルトにとっては通過点にすぎず、方法的懐疑が導き出したのも「近代的自我」とされる「私」では決してなかった。ならば、その思索はいったいどこに進み、何を明らかにしたのでしょう?
本書は『方法叙説』(1637年)と『省察』(1641年)という二つの主著をていねいに読み解きながら、驚愕すべき結論に向かっていきます。著者とともに歩んでいくことで、「哲学」とはいかなる営みなのか、そして本当に「考える」とはどういうことなのかを実際に体験することができるでしょう。

[本書の内容]
序 章 哲学とは何か
 1 死んだものとの対話
 2 「よき生」のために
第一章 「われ思う」のは誰か
 1 夢
 2 狂 気
 3 「私」とは何か
第二章 「われ思う」に他者はいるか
 1 観念の起源へ
 2 「無限」ということ
デカルト小伝
読書案内

目次

序 章 哲学とは何か
1 死んだものとの対話
2 「よき生」のために
第一章 「われ思う」のは誰か
1 夢
2 狂 気
3 「私」とは何か
第二章 「われ思う」に他者はいるか
1 観念の起源へ
2 「無限」ということ
デカルト小伝
読書案内
あとがき
学術文庫版あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

いかすみ

2
教科書では、デカルトは「我思う。故に我あり」という近代的自我の嚆矢であると言われている。しかし、本書では、「我思う」は「誰でもない」のであり、「と思われること」が全ての源泉であると主張される。方法的懐疑を限界まで進めることで辿り着いた、「私」=「ある」=「思考すること」=「かんじること」という地点。さらに、この地点から、「観念」を探りに行く。そこでは、「徹底したエゴイズムとその外部[=神]の問題が、表裏一体をなして」いることが分かる。教科書的ではないデカルト論であり、意表をつかれるところがあった。2025/05/25

hryk

2
細かな表現に注目して読解を進めてデカルトが到達し得た地点を目指す「対話」の試み。2022/06/26

瀬希瑞 世季子

2
泣けるデカルト2022/02/22

MF

1
「我思う、ゆえに我あり」少し理解に近づけた気がする。2024/09/14

裏竹秋

0
最初から意味不明な本。〈媒体を介した主題があるかぎり、死者との対話も成り立つ〉ことを、冒頭で極めて迂遠に書いてゐる。定義アヤフヤ論法。主題は本質的に死を中核に宿してゐると、深淵さうに語って、話者の死と主題の死とを結びつける。しかし強引で飛躍した論理である。しかも主題に生も死もありゃしない。主題は生物ではないのだ。無意味な比喩である。しかも、著者がこのいひまはしを徹底してゐて、学術文庫版の新しいあとがきに、自分の旧著のことを《おのれの骸》と書いてゐるのが気持悪い。つくづく哲学はレトリックのまやかしである。2023/11/10

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