内容説明
「始皇帝」以前と以後で、中国は他民族を圧する「別の国」に変わってしまった。秦前後の中国史を比較し、変質の根源を明らかにする。二つの時代区分で読み解く「世界一わかりやすい中国の通史」。長い中国史を通覧する際、最もシンプルな見方は何か。教科書のような「古代」「中世」「近世」「近代」の区分は、中国には該当しない。マルクス主義のような奴隷制→封建制→資本主義→社会主義という見方に至っては論外である。著者は長年の探求によって、一つの新しい見方を発見した。中国四千年(およそ3600年)を「王の時代」と「皇帝の時代」の二つに分ける、というものだ。この視点から見れば、秦の始皇帝による支配も袁世凱の帝政復活も毛沢東の文化大革命も、そして習近平の個人独裁も一つのメカニズムから把握できる。では、二つの時代は何が違うのか。端的にいえば、この国でお馴染みの民衆の反乱、王朝崩壊の繰り返しは始皇帝の「皇帝の時代」から始まった、ということである。逆にいえば始皇帝以前の「王の時代」の中国は、むしろ日本に似た「和」の国だった。衝撃の史実がいま明らかに!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
軍縮地球市民shinshin
18
石平氏が書く「新中国史」ということで買ってみた。氏は中国史を大きく二つに分け、国王が統治していた時代(殷・周)と皇帝が統治していた時代(前漢~現代)と設定する。国王時代は封建制で王の力は強くなく、独裁制は行われず、したがって人民の武装蜂起は起こらなかったとし、皇帝時代は中央集権国家になり独裁政治に陥り、一族と近臣間での内訌、そして農民反乱が起こって王朝滅亡というよく一般的に知られている中国史の流れが定着したと喝破している。国家の下に皇帝が位置づけられているのではなく、皇帝個人が国家を私物化した状態になった2022/07/05
TheWho
14
虎ノ門ニュースで人気の鋭い舌鋒で、中国時事を語る著者が、中国通史を通じて「皇帝の時代」が、現代中国に至る歴史を語る1冊。著者は、中国の歴史区分を「王の時代」と「皇帝の時代」とを2区分する。王の時代とは、古代の殷と周が、封建制を基本とし、漢から現代までを皇帝の時代、すなわち中央集権かつ私政治であると言及する。漢以降中国では、公の意識が欠如し私の意識が中枢であり、それが習近平の現代中国に繋がると言及している。歴史観を持って現代中国を理解できる1冊です。2022/07/21
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