内容説明
本書では「幸福」の意味を「当人にとって良いことが生じている」という事態として説明。さらに「当人が大切に思っていることの実現が、幸福の実質的な中身である」という説を提示し、快楽説や欲求充足説といった従来の五つの哲学説と比較しながら丁寧に考察。「大切に思う」という気持ちが私たちの生き方を形作ることを明らかにする。
目次
はじめに
I 「幸福」とは、どのようなことを意味するのか
第一章 「幸福」の意味と「~にとっての良さ」
1 「~にとっての良いこと」としての「幸福」
2 人の幸福を構成する「~にとっての良さ」の意味
3 「端的な良さ」と要請
4 「~にとっての良さ」と要請
第二章 人としての価値と「幸福」の意味
1 「~のために」の意味
2 人としての価値と「~にとっての良さ」
3 「~にとっての良さ」の行為者中立性
4 「~にとっての良さ」と「気遣い」と「~のために」の間の循環
5 不 幸
II どのようなことが、幸福であるのか
第三章 快楽説
1 快楽説の基本的な考え方
2 素朴な快楽説
3 卑俗性批判
4 快楽とは何か
5 洗練された快楽説
6 洗練された快楽説の検討
7 卑俗性批判の妥当性
第四章 完成主義と客観リスト説
1 完成主義の基本的な考え方
2 人間の本性
3 客観リスト説
4 疎遠問題
5 ここまでの議論のまとめと今後の進路
第五章 欲求充足説
1 欲求充足説の基本的な考え方
2 欲求の充足とは何か
3 虚しさによる批判
4 僥倖による批判
5 欲求充足説から情動型評価説へ
第六章 情動型評価説
1 情動型評価説の基本的な考え方
2 他人の失敗に対する喜び
3 対象となる事態の生起という条件
第七章 ケア型評価説
1 「大切に思う」という心的態度
2 「大切に思う」と「大切さ」の関係
3 反省的欲求による「大切に思う」の説明
4 ケア型評価説の基本的な考え方
5 「大切に思う」の「深さ」
第八章 ケア型評価説の利点と課題
1 ケア型評価説から見た諸説
2 「大切に思う」という心的態度と「生き方」
3 ケア型評価説の課題
4 ケア型評価説の推奨
注
あとがき
参照文献
事項索引
人名索引
感想・レビュー
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buuupuuu
袖崎いたる
Go Extreme
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