ちくま文庫<br> 中央線がなかったら 見えてくる東京の古層

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ちくま文庫
中央線がなかったら 見えてくる東京の古層

  • 著者名:陣内秀信【著者】/三浦展【著者】
  • 価格 ¥880(本体¥800)
  • 筑摩書房(2022/02発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
  • ポイント 240pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480437884

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内容説明

「中央線がもしなかったら?」そう考えて街を見てみれば、そこにはいつもと違った景色が現れる。中野、高円寺、阿佐ヶ谷、国分寺・府中、日野……沿線の街を地形、水、古道、神社、商店街に注目して歩けば、古代・中世が見えてくる! 鉄道中心の視点を脱し、土地を見る目を養う「まち歩き」最高の入門書。地形がよくわかるカラーマップ付。近年の中央線沿線の変化をめぐる対談も新たに収録。

目次

対談 近代以前の東京の原形を探る 陣内秀信×三浦展
中央線をはずして考える
川、湧水、神社、古道などから、古代・中世の歴史を探る
かつての地域が残しているアイコン
中野新橋を流れる神田川
地域の歴史を掘りおこす
第一部 中野・杉並編
第一章 新宿~中野 青梅街道から中央線へ移動した軸 三浦展・五木田勉
中央線は嫌われ者だった
何もなかった頃
賑やかだった青梅街道
中央線はなぜ曲がっている?
神田川の丘の上に高級住宅地「華洲園」
東中野にフランク・ロイド・ライトの弟子が設計したレストラン
牧場もあった
中野長者
中野は江戸でいちばんのそばの産地、そばつゆも独占
花街もあった
第二章 高円寺 前近代の宗教地域から近代軍事都市へ 三浦展・五木田勉
高円寺の入り口は東高円寺
鷹場だった高円寺
寺の町
鶴をつかまえた
和田の土地二坪は日本橋の一坪
幻の中央線・馬橋駅
オトリメ様
中野と荻窪を結ぶ滑走路の計画
第三章 阿佐ヶ谷 聖域・湧水・古道・河川・釣り堀から読む地域構造 陣内秀信・柳瀬有志
土地の本質を知るため、川と古道に注目する
地蔵、庚申塚、遺跡などに地域の古層を読む
古道を歩いて、聖地・大宮八幡宮へ
水をキーワードに探る、阿佐ヶ谷神明宮周辺
高台の聖なる空間、鷺宮八幡神社が示すもの
私の原風景──成宗周辺の地形を歩く 陣内秀信
第二部 多摩編
第四章 国分寺~府中 いにしえの東京を探しに、古代武蔵の中心をめぐる 根岸博之・井上倫子・篠井満夫
二つの崖線に湧水と三つの河川
大國魂神社の起源とその立地を探る
道が集まり、 がる府中の古道
伝統を守りながらも常に進化し続ける祭
西へ向かえば、そこにはさらなる古墳の世界
空白を埋めていく近代の思想
国分寺崖線を下り、武蔵国分寺に
古代からの記憶が重なり合い、つくられる地域の姿
第五章 日野 用水路を軸とした農村、宿場から鉄道中心のベッドタウンへ 石渡雄士
多摩川と浅川
「水の郷日野」
駅名と同名の用水路──日野用水と豊田用水
宿場を守る地蔵と日野煉瓦
日野宿の形成と駅の誕生
地形を巧みに読んだ日野用水を歩く
精進場と屋敷神信仰
水門から農地を探す
日本の近代を支えた養蚕と蚕糸試験場
崖沿いに湧水と遺跡が集まる豊田駅周辺
湧水が集まってできた黒川水路
取水口から排水口へ向かって豊田用水を歩く
豊富な水資源を求めて進出した近代の工場
湧水と信仰の空間──豊田‐東豊田
用水と信仰の空間──川辺堀之内
文庫版対談 「鉄道がなかったら」という視点が新しい郊外を生む! 陣内秀信×三浦展
「鉄道がなかったら……」という視点
コロナで変わる生活圏
大きな開発ばかりのモデルをつくりなおす
谷保の面白さ
地元を見る人と見ない人
日本には都市政策がない
都市の住宅地化が進むなか、住宅地を複合化する必要がある
参考文献

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

はっせー

99
大学の最寄り駅が中央線だった。だから何かと縁がある本だと思い読んでみた。私達は鉄道を中心に考えてしまっている。住みたい街ランキングや住心地がよい沿線ランキングなどすべて鉄道絡みである。国道や道を中心にランキングは作られていない。むしろ車社会の街を避けている印象がある。そんな世の中の雰囲気とは一線を画す本になっている!古道・川・自然を中心に街を見てみると新たな発見がある。鉄道を無しにしてみた街はどこか違って見えてきて過去とを結ぶ起点が多くあることに気づく。阿佐ヶ谷・中野・府中・日野どれも個性的だと思った!2022/07/29

本木英朗

19
日本の現代評論のひとつである、この作品については、俺はもちろん初めてだ。中央線がもしなかったら? 中野、高円寺、阿佐ヶ谷、国分寺……地形、水、古道、神社等に注目すれば東京の古代・中世が見えてくる! という話である。なる穂のね、作者は編集者たちである。この先も何回も読もうっと。2022/03/03

hippos

15
古道や水流など現存する史跡だけではない町歩きが新鮮。だけど、馴染のない町や町についてはなかなかのめり込んではいけないな。その地に縁のある人にとってはすごく面白いのだと思う。 2022/02/24

かば

11
杉並の地理を考えるには、古代以来の河川(善福寺川など)、中世の古道(鎌倉街道など)、近世の街道(青梅街道など)、近代の鉄道(中央線)という四つの交通幹線を軸としたレイヤーに注目すべきという点が印象的であった。2022/01/23

yamakujira

9
中野、高円寺、阿佐ヶ谷、国分寺、日野、今では中央線の駅が街の中心と思いがちだが、史跡や古道、社寺、湧水、地形などを探索する街歩きを通じて、古代や中世の景色を見る。地域再発見という観点は興味深いけれど、タイトルにも副題にも違和感があるな。いわゆる歴史散歩にすぎない内容なのだから、雑誌連載時の「中央線がなかった時代」ってタイトルの方がしっくりくるのに。TV番組や雑誌でも知的好奇心をくすぐる散歩のすすめが近年多いのは、無機質な都市開発へのアンチテーゼとして共感を呼ぶのだろうね。 (★★★☆☆)2022/02/13

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