鈍色の奴等

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鈍色の奴等

  • 著者名:冬矢冴【著】
  • 価格 ¥1,320(本体¥1,200)
  • 幻冬舎メディアコンサルティング(2022/01発売)
  • 2025→2026年!Kinoppy電子書籍・電子洋書全点ポイント30倍キャンペーン(~1/1)
  • ポイント 360pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784344937604

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内容説明

家族との軋轢を抱え、SMの女王を生業とする女。
残酷な“絆”に翻弄され続けた彼女の結末は、救いか、地獄か。

夏海は裕福といえる家庭に育った。だが、エリートの父は姉弟に教育虐待を加えた。
逃れるようにドロップアウトした夏海は現在38 歳、SMの女王として生計を立てている。
同居人の自称俳優の時生は、酒に酔うと「社会不適合者が」と詰りながら夏海を殴る。
屑のような男との暮らし、精神を病んだ弟から連日届く呪詛のようなメール―。
果てのない悪夢のような毎日に、弟の自殺の報せが届く。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

いざなぎのみこと

13
私は暴力を振るう父から逃げ、暴力を生業にすることになったー児童虐待の末、SM嬢になった主人公は、家族、恋人、お客といった周囲の人に正しく関わることが出来ない。そもそも正しいとは何か。狂っているのは自分か、周りか。正常ではない価値観をまざまざと突きつける問題作。荒れ狂う展開が花村萬月さんを思い起こすような描写で、素晴らしかったです。もっと長い作品を読んでみたいですね。2022/05/18

諏訪一大事

8
この作者、何者なのか? 暴力に次ぐ暴力、ロスジェネ世代の諦念、SM好きなら舌舐めずりして悦ぶ様な女王様からの罵倒シーン。 過激なシーンのオンパレードなのに、作者は新人に有りがちな自身の筆に酔う事もなく、極めて淡々とした筆致で一つ一つの描写を圧倒的な力で描き切っている。 末恐ろしい作家が出てきたもんだ。素顔が判らない、男か女かも判らないが小説を読めばその「人」が見えてくるのは自明の理だ。この短さも己の性に合っていた、我が持論は「世に出回る大多数の長編は蛇足の宝庫」である。2022/02/17

中野 よしき

5
主人公のSM女王がとにかく魅力的。諦念の極致にいて凄いな。実在のモデルがいるならお店で調教されてみたい。裏の主人公とでも呼ぶべきオヤジのキャラがこれまた強烈。いくら金あってもこんなオヤジの元には生まれたくないわと、主人公に深く同情。有無を言わさぬ怒涛の展開で通勤中に読了。素晴らしい。 2022/07/11

みやび

5
新聞広告に咲いていた、矢鱈毒のある彼岸花に魅せられて即購入した。 表紙の彼岸花の意味を知った時、あぁ!そういう事。と思わず膝を打った。過ぎたるは及ばざるが如し。教育熱心も程々にしないと家庭は悲惨な末路を辿るのです。 最近のいわゆる親ガチャ論争は、高収入で教育熱心な親に生まれればガチャ当たり!って論理だけどそんな単純で安直な話じゃないって事を、この小説を読んで知った。高収入で超教育熱心な家庭が故に生まれる悲劇が確かに存在するのだから。 それ以外にも暴力彼氏や、氷河期世代の苦悩など色々考えさせられました。

ユウ

5
教育虐待を受けた女性が滝壺に落ちるかのように被虐の中へ浸かっていく様が描かれている。虐待から生じた倒錯は、女性を加虐と被虐のるつぼへ引きずりこんでいく。加虐の虚しさに気付き、被虐から抜け出そうと顔を上げた先でも、新たな被虐からは抜け出せない。連鎖のくびきに虚しさを感じさせられる。2022/02/20

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