内容説明
神秘と恐怖に喰らいつく!
しばれる冬の実話怪談、「超」怖い話〈干支シリーズ〉2022年は寅。
「祖父ちゃんが、ホワイトタイガーに見えた…」
全身、虎のような横縞の傷をつけた祖父の霊。
大陸から持ち帰った虎の牙と髭。
祈祷師の予言「寅年の女児を授かれば財を得る」との関係は…?
「虎よ虎よ」より
恐怖と好奇心の葛藤。本能がそそられる怪奇実話、全34話収録!
・中部地方の旧家にある曰く付きの六畳間。家の者がそこで寝ると病を得、よその者が寝るとある夢を見る。果たしてその夢とは…「四方八方」
・東北出身の全盲の祖母が孫に語った秘密。闇の中に見える不吉な黒い朝顔の種が意味するのは…「同じ闇を見ている」
・釣り先で友人がどこからか拾ってきたキャリーカート。捨てろと言っても聞かず、しだいに言動に異変が…「キャリーカート」
・山で篠笛の練習をしていると呼応するように聞こえてくる美しい音色。祖父はヌエの声だというが、その正体は…「笛の音」
ほか、仄暗い密林にそっと身を潜め獲物を狙う虎の如く、突然あなたに襲い来る怪34話!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
qoop
11
昨年が刊行30周年で、今巻がシリーズ累計50巻目とのこと。本レーベルの刊行点数も多くなり、類書と区別できるかといえば正直難しいというべきだろうが、それでもこのシリーズは別格扱いをしてしまうな、と。干支に因んだ…そんな因み方は嫌だが〈虎よ虎よ〉、類話のある中核に空白を据えた怪談の中でも引き込まれる〈エシン〉、ミステリタッチの構成が巧い〈けあらし〉、意味不明さがリアルでおぞましい〈おみくじ〉が印象的。2022/02/15
ふなこ
8
帯にやられた。「おじいちゃんがホワイトタイガーに見える…」そこからどう怖くするの?!と、まんまと引っかかって読んでしまった。複数の短編が収録されているが、例の短編もちゃんと怖かった。2022/03/21
Meistersinger
3
印象に残ったのは「エシン」。それが何か解らないというのが面白い。2022/06/26