内容説明
二人組の強盗犯の前に一人の男が現れ、杖一本で犯人を打ち伏せてしまう。天草四郎(てんぐさしろう)と名乗った男は、一月後にも四人組の宝石強盗を杖一本で撃退! この武勇伝により、彼は一躍国民的英雄となった。さらに凶悪犯退治は続き人気は沸騰するが、一切自分の身許を語らない天草四郎に、十津川の友人の新聞記者が疑惑の目を向ける。「正義の味方」の目的は? その正体に十津川が迫る!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ビスコ
4
ザビエルコスだったので、キリスト教関連の本書を読んだ。他に無かったんかい。 改めて読んでも、やはり、先生の優しさの様なものを感じ取れる作品。初期作品では聾者や少数民族等、社会的に不当な差別を受けているor社会的弱者を題材にし、そこに優しい視点で描いた作品が多いが、本書も、言うなれば、戦国時代に弱者となった、三万七千人ものキリスト教徒達への優しさがある。そこに、初期作品と通ずるものがある。2015/02/15
ビスコ
3
西村京太郎先生の作品にしては珍しく、殺人はおろか、死者すら出ない(天草の乱での殉教者除く)。そんなこともあり、異色作と言って差し支えない。天草の乱の時の天草四郎の謎のカリスマ性、英雄を彷彿させる、現代の英雄「天草四郎(てんぐさしろう)」。正体が判らぬ彼を英雄視する反面、疑問を抱く人々が現れ始める。彼の正体はなんなのか、狙いは何か、という内容。踏み込んだ感想を書くと、ネタバレになりかねないので自粛。ただ、西村京太郎先生の、大きな優しさのようなものを感じた、とだけ言う。2014/03/25
神岡宗介
1
読了後に何とも言えない清涼感を感じさせる貴重な一冊。何だか草原を吹き抜ける爽やかな風を思わせる。誰も殺されていないのと、被害者が皆、天草四郎に対して親しみを感じているのが大きい。 天草四郎に関しては、キリシタンであるという事と島原の乱しか印象に無かったけれど、この機会に色々と調べてみようと思います。2023/07/20
花鳥風月の森
1
私は後味が悪い…2017/07/09
xkxxxxk
1
全国のてんぐさしろうさんに謝った方がいいと思った2017/02/17