内容説明
◆ふらんす堂電子書籍1000円シリーズ
◆第三句集
日々の暮しのなか、ささやかだけれど心に留めておきたいものがあります。
それらを俳句にしてきました。
(あとがきより)
◆作品紹介
思ひ出すために集まる春炬燵
二の腕のつめたさ母の日なりけり
梅雨寒し造花いくつも蕾持ち
近づいてくる秋の蚊のわらひごゑ
金盥ぐわんと水をこぼし冬
鎌倉の立子の空を初音かな
黙考の大金蠅は打ち難し
麻服をくしやくしやにして初対面
鴉呼ぶ鴉のことばクリスマス
あたたかやカステラを割る手のかたち
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
pirokichi
16
著者の第三句集。2012年~2019年の作品。型押しのすっきりしたシンプルなカバー。うるさくもなる帯がないので、タイトルの「夜の水平線」が活きている。その中に納められているのは端整な句に違いないと頁を開く前から期待が高まる。〈断面のやうな貌から梟鳴く〉〈二の腕のつめたさ母の日なりけり〉〈麻服をくしやくしやにして初対面〉〈鴉呼ぶ鴉のことばクリスマス〉〈吾を映すあたらしき墓洗ひけり〉〈左利き同士並びてラ・フランス〉〈こほろぎや滑り台てふ夜の川〉意外な取り合わせの句もたくさんあって読んでいて楽しい。2021/03/29
豆ぐみ
2
2020年ふらんす堂刊、「南風」選者の著者の2012~2019年の句。単独の句集では第三句集か。こういう句が作れたらなあ。特に好きな句は〈断面のやうな貌から梟鳴く/底冷や落として遠き鈴の音/「富士の間」といふ天空の夏座敷/濡れ砂を刺す夏蝶の口太し/猿石は祖の顔して冬あたたか/春寒き死も新聞に畳まるる/街角に星を売る店火恋し/仕舞はれて屋台一塊冬の虹/ちよいちよいと味噌溶いてゐる桜どき/香水や土星にうすき氷の輪/映写口の塵きらきらと梅雨に入る/雲の峰サンドバッグに音溜まり/春の雷螺旋に貝の生身満ち〉等々。2021/01/03
MATSU231
0
あっさりとお茶漬けみたいな俳句。2024/04/24
jouta h.
0
句集です 読めない漢字が多かったです 「ポケットの木の実の中の鍵探す」が好きな句です2021/09/12
きびたき
0
たぐいまれなる感性をもった俳人の第三句集(合本を除く)。日常の、誰も目に留めないところをすくい上げて句に仕立てる力量はさすがというほかない。鳥の句が若干多すぎるかな?とは思ったが、句集全体の質はきわめて高いといえるだろう。「立春や野に触れてゆく鳥の腹」「極月の炎ひらりと肉に乗る」など。2021/08/17
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