内容説明
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雅で風流な国風文化が花開いた平安王朝の時代。おそらく多くの日本人は、この時代のことをそんな風に思っているに違いない。だが、史料をつぶさに読み解いていくと、それはあくまでイメージであり、勝手な先入観であることに気づくだろう。王朝貴族たちは官僚社会の中で、上下関係がはっきりしたピラミッドを形成。激しい出世レースを強いられることになり、努力すれば昇進の見込みもあったが、強権を発揮した藤原道長の時代になると縁故癒着が当たり前となって、その道も閉ざされた。女性貴族も家系存続のためにと、必死になって教養を身につけ、皇家や上級貴族から寵愛を受けられるように最大限の努力を重ねた。だが、右も左も同じように考えるライバルで溢れ返り、嫉妬心を燃やしていた。もちろん、和歌を詠よんだり蹴鞠をしたり、四季折々の花を愛でたりと、雅な側面もあるにはあったが……。本書は、そんな平安王朝の貴族たちの暮らしや文化にスポットを当て、数多くのイラストとともに、そのリアルな姿を浮き彫りにした。平安時代は上層階級に位置した貴族たちが、ただ楽しく過ごしていたわけではない――。本書をお読み頂ければ、そのことがより明確になるだろう。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
NORI
23
タイトル観たら「人間の嫌な部分は、今も昔も変わらんねぇヒャヒャヒャ」と意地悪く笑う為の本だと思うでしょうに!実際は、そういうことにも触れている、程度だった。これは流石にミスリード。 平安時代の習慣や風習、生活などを広く紹介する、平安ガイドブックだった。イラストも多くて分かりやすい。この時代の古典などを読む際の参考書としては、普通に良いかと。源氏物語なんか、話全体は面白いんだけど、時々挿入される儀式の描写中は展開もないし退屈気味だったりもする。この本でその意味や目的を確認しながら読めば、もっと楽しめるかも。2024/04/17
びっぐすとん
21
図書館本。繁田さんの『殴り合う貴族たち』は優雅の塊みたいな貴族のバイオレンスな一面を紹介していたが、こちらは満遍なく貴族の365日、一生をさらっと紹介。暮らしぶりを知れるし、内容は悪くないけど、誤字脱字が目立つのが残念。平安貴族と銘打ってるんだから「該当する人々」欄は要らない。庶民も該当するトピックは2つ位しかなかったし、「該当する時代」を区切る必要もなかった。平安時代を知る入門編としては良いかも。何冊か読んでいる人には目新しい内容は少ないが、屋根や垣根の違いや建具、調度品、照明の解説は良かった。2020/11/21
かもめ通信
19
「後宮の作法」「暮らしの作法」「通過儀礼の作法」「年中行事の作法」「住まいの作法」と5章立てに+αのトピックス。平安貴族の暮らし入門。私にとっては既知情報が多かったため目新しい印象は受けなかったが、文学を読み解くための豆知識があれこれとつまってはいるので、入門書的な位置づけで、平安文学の副読本として利用することはできそうだ。ただし、タイトルにある「嫉妬と寵愛」の成分は低めなので、この点にはあまり期待しない方がいい。2024/05/20
サケ太
19
平安時代の中心である貴族たちの生活やその流れについて俯瞰できる一冊。表紙のインパクトが凄い。著者の作品は2冊ほど読んでいるので、平安時代が名前の通りの世界でないことはわかっていたが、こうやって改めて見ていくとそのギャップに驚いてしまう興味深い時代。2021/06/28
おの
18
タイトルホイホイされて買ったが、思ったより嫉妬と寵愛要素は少なかった。平安時代図鑑という感じ。2024/03/11
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