内容説明
権威を疑え。自分の頭で考えろ。さもなくば、民主主義は終わる。
政権の「嘘」を暴き、糾弾し続ける元文部科学事務次官、待望の最新書き下ろし! 『面従腹背』から新たな闘争へ 。
学ばない国民は政府によって騙される。
愚かな国民は愚かな政府しか持つことができない。
愚かな政府は腐敗し、暴走する。
安倍政権から菅政権へと、露骨な国政私物化が続いている。菅政権になっても、「官邸官僚」主導の政治体制は変わらない。
しかし、官邸官僚が「一本化」されたことで、安倍政権よりも支配構造がさらに強くなってしまった。
愚かな国民は、愚かな政府しか持つことができない。賢い国民が育つために決定的な役割を果たすのは、メディアと教育だ。
メディア関係者と教育関係者が権威主義や事大主義に毒され、同調圧力に加担し付和雷同に走るなら、日本国民はますます蒙昧の淵に沈んで行くだろう。
安倍政権下で加計学園問題の疑惑を追及した自らの体験を交え、腐敗した日本の政治を問い質し、打開策を提示する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬参仟縁
49
図書館本。本書で今年は目覚めた感覚。深謝。官僚の自負と高慢は裏表。官僚は政治家を内心で見下す。政治家は官僚を権力で押さえ意志を通そうとする(95頁)。教委の事大主義、上意下達・責任回避(170頁)。私は彼ら教委を文科省と現場学校との中間管理職的組織と思ってきた。ハンバーガー、サンドイッチを喰らうのは誰か? そんな気がしているが、PTAや子供に違いない。われわれも食われ、消化される身なのだ。また、国家権力を握る政治勢力は芸術文化を選別すべからず(202頁)。ケインズのアームズレンクス(203頁)。2022/01/04
しゅうと
17
ここまでわかってて、なぜあの人は国会議員を続けられるのか?逮捕されないのか?著者の前川喜平氏は、文科省の元事務次官。文科省のトップの役人が言うのだから、説得力あります。この本は勇気ある出版です。2022/05/05
香菜子(かなこ・Kanako)
16
権力は腐敗する。前川 喜平先生の著書。権力は腐敗するのなら権力が腐敗しないためのルールを作るしかない。権力は腐敗するなら誰が権力者になって権力を握ったところでいつかは腐敗してしまう。そうであるなら権力者が権力者であり続けることができないためのルール作りが必要。権力者はある程度の期間を過ぎたら権力者の座から強制的に降りてもらうようなルールがないと。権力は腐敗するならそのようなルールを作るのは仕方のないこと。2022/12/16
まゆまゆ
15
安倍、菅政権による国政の私物化が止まらない実態をあらためて紹介していく内容。特に自身も少なからず関与していた加計問題は問題提起されてからもう4年も経っていて風化が始まっていると感じさせる。首相秘書官や官房副長官といった首相直属の部下を使って各省庁を意のままに操る実態を赤裸々に語り尽くす。2022/01/05
どら猫さとっち
8
元文部科学事務次官で、現在は執筆に公演などで活躍する前川喜平。安倍・管政権の欺瞞と虚飾、コロナ禍での学校の在り方や、脅かされる自由について批判、そして希望の手がかりを導いてくれるのが本書である。前川氏なくしては、これからの日本は救われないばかりか、未来はない。弱を助け強きを挫く。この当たり前の意味を誰よりも知っている前川氏を、心から尊敬したい。2021/09/19