ちくま学芸文庫<br> 〈日本美術〉誕生 ──近代日本の「ことば」と戦略

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ちくま学芸文庫
〈日本美術〉誕生 ──近代日本の「ことば」と戦略

  • 著者名:佐藤道信【著者】
  • 価格 ¥1,210(本体¥1,100)
  • 筑摩書房(2022/01発売)
  • 夏休みの締めくくり!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~8/24)
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  • ISBN:9784480510778

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内容説明

作品じたいは古くからあった。しかし、「日本美術史」という歴史体系は、「ことば」によって近代日本につくられたのである――。本書はまず、明治期に「絵画」などの美術用語が作られていく過程、また「日本画」「西洋画」「歴史画」「裸体画」「風景画」といったジャンルが規定されていく過程を綿密に追う。その背後にあるのは、近代日本で芽生えた国家思想、つまりナショナリスティックな「日本」意識と、欧化・国際化との相克だ。作品・作家を生み出し支えた政治的・社会的機構をとおして、新たに近代美術の深部を抉りだす。

目次

序章 美術の言語と言説
第一章 「近代日本美術」とはなにか──時間と地理の枠組
1 「日本」を考える
2 「美術」「日本美術」「日本美術史」
3 「近代」の範囲と意味
第二章 美術の文法
1 造語の方法論
2 「美術」はどう造語されたか
3 「絵画」の成立
4 「彫刻」か「彫塑」か
5 「工芸」という包括概念
第三章 ジャンルの形成──「日本」をめぐる論争
1 森 外反駁す
2 対概念としての「日本画」「西洋画」
3 「歴史画」
4 人間と自然
5 「近代美術」と「現代美術」
第四章 美術の環境──階層・行政・団体・コレクション
1 美術と階層
2 美術行政
3 美術団体の誕生
4 コレクションの社会学
終章 「日本美術史」の創出

参考文献
あとがき
文庫版著者あとがき
文庫版解説 「ことば」と「機構」──自己探求としての日本近代美術史論 北澤憲昭
索引

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

榊原 香織

43
堂々男子は死んでもよい、て日本美術院の院歌すごいですね。岡倉天心は圧倒的です。ビックです。2023/02/22

kenitirokikuti

5
図書館にて。絵画、彫刻、風景、陰影といったタイプの明治新造語は西洋美術にも日本美術にも使える。しかし写実、歴史画、平面などは古美術と接合しづらい▲「絵画(繪畫)」も明治新造語だが、最初に使われたのは「書画」であった。書画は東洋を向いているが「絵画」は西洋向き。明治半ば、制度的には西洋が公となり、戦後まで書は「美術絵画」の制度から排除されていた。もっとも、単独の字では「画」が公的である。山水画、洋画、画家などと書くが、対して下絵、アニメ絵、×絵用紙など。「萌え絵」もだね…2021/12/31

kana0202

2
眼の神殿に引き続きこちらも読んだ。徹底的に当時使われた、あるいは作られた言葉の意味を徹底的に探る。現代の常識的な、しかし底の底まで定義するのは難しい言葉の意味が、当時いかにして作られたか。工芸の曖昧な位置付けの話が面白かった。また黒田清輝の裸婦像事件が、ヌードの重要な意味をうまく輸入きなかったこと、つまりは翻訳の失敗な起きていたことなど。大きく翻訳論だとも言える。2023/07/01

Go Extreme

2
美術の言語と言説: 「近代日本美術」とはなにか――時間と地理の枠組 「日本」を考える 「美術」「日本美術」「日本美術史」 「近代」の範囲と意味 美術の文法: 造語の方法論 「美術」はどう造語されたか 「絵画」の成立 「彫刻」か「彫塑」か 「工芸」という包括 ジャンルの形成―日本をめぐる論争: 森鴎外反駁 対概念としての「日本画」「西洋画」 歴史画 人間と自然 近代美術と現代美術 美術の環境―階層・行政・団体・コレクション: 美術と階層 美術行政 美術団体の誕生 コレクションの社会学 「日本美術史」の創出2021/11/07

yuzuki

0
山種美術館の「日本画に挑んだ精鋭たち」を鑑賞したのをきっかけに購入。日本画の概念とは思った以上に曖昧なのでは?という問いから、日本の近代美術史が気になって読んだ。それまで言語化されていなかったジャンルが、近代に入って西洋の思想や技術を輸入し、言葉によって再定義が図られたことが詳述されており、知りたいことが書いてあった。 美術史を学び直した後、再読したい。2023/10/01

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