ちくま文庫<br> 日本の気配 増補版

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ちくま文庫
日本の気配 増補版

  • 著者名:武田砂鉄【著者】
  • 価格 ¥880(本体¥800)
  • 筑摩書房(2022/01発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480437594

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内容説明

「個人が物申せば社会の輪郭はボヤけない」。最新の出来事にも、解決されていない事件にも粘り強く憤る。東京五輪に開催後でも反対する。日常に潜むヘイトの萌芽、監視社会、政治家の空虚な言葉、コミュニケーションを「能力」で問うこと、等々への違和感を引きずり、問い続ける。「空気」が支配する国から、「気配」で自爆する国へ。その後の展開を大幅に増補した。

目次

はじめに
第1章 空気と気配
ヘイトの萌芽
「われわれ」とは誰なのですか
あいつがテロリストかもしれないよね
悲しみをとどめる
「笑われる」気配
第2章 隷従する私たち
予測された混迷──ただ解体が進んだ国立競技場
地方創生と原発広告
首相を揶揄する落書きを描いた場合のみ逮捕される社会
軽減税率適用を懇願する新聞・出版の体たらく
左派が天皇陛下の言葉にすがる理由
鼻くそを自由にほじれない社会
一体どこまで監視を許容するのか
マイナンバーを提供しません
子どもにすがる消費税増税CM
「安楽死」を〝お涙頂戴〟の新ネタにするな
「ダウン症が増えました」という記事の暴力性
ニール・ヤングがスターバックス不買運動を起こした理由
第3章 愚者と巧者
「誤解」と言わせないための稲田朋美入門
小池百合子のテレビ活用法
「昭恵夫人だから」で許しちゃう感じ
イヴァンカ・トランプ初来日公演
長谷川豊の「日本語の持つ力」
秋元康の「右傾化」パフォーマンス
なんと、美しく下品であるのだろう
思うがままに糞をする
第4章 政治の気配
胸に刻み続ける〝官設〟話法
「他よりマシ」と付き合う
憤りを引きずる
嘲笑のひとつひとつを許さない
「ハーフ」ではなく「ダブル」
「2020年」でうやむやにする人たち
国民を置き去りにする政治の「正しい言葉」
正しい家族になりましょう
空気を管轄する
第5章 強いられるコミュニケーション
駅長の言葉に歯向かう
訃報をこなす感じ
「させていただく」への違和感
吃音者と「コミュニケーション」能力
「ありがとうございました」と言ってくれるかもしれない
コミュニケーションを「能力」で問うな
あとがき
増補版のためのあとがき
解説 中島京子
初出一覧

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

Mc6ρ助

14
爺さまには難しい所もあるが言いたいことを言ってくれている、のだけれど読んでいるうちに苦しくなってくる。『「気配」を「勘繰」って「自粛」「させていただ」いたりする、この奇妙な動きを、やめなくてはいけない。奇妙な動きはずっと続いている。ここがマックスだ、ここが底だと思っても、まだまだ底があるような続き方をしている。この「気持ち悪さ」と、とりあえずは向き合う必要がある。「ムカつくものにムカつくと言う」ことを決意した著者の感じ取る「気持ち悪さ」と「ムカつき」から、目を逸らすことができずにいる。(p340:解説)』2021/12/13

Satoshi

11
著者が空気でなく、気配と評したここ日本の世相。政治家も空虚な言葉を発して、弱者の声を封殺する。コミュニケーション能力という誰も正解に計れない物差しで評価され、どうせやるならという何の根拠もない理由で政府の方針に賛同する。無理矢理やったオリンピックだったが、スポーツを楽しむだけで何かレガシーを残したのか。誰が総括するのか、盛り上がればそれでOKなのか。2021/11/29

umico

6
用意された枠に入ってはいけない。アンテナの感度がすごい。同じように感度高く…は難しいので、それでも気になるところは気にして生きていこうと思う。生きて、働き、子育てをする限り政治、経済、難しいよね、よくわかんないよね、ではすまない。違和感とか怒りとか、なぁなぁにしないこと。させていただく。めっちゃ使う。うっすら違和感あったけど。2023/08/25

宮崎太郎(たろう屋)

5
昨今の政治、芸能などのニュースの中、モヤッとしたり気持ちのついていかないニュースを取り上げ、なにやら気配が支配する場を切り取っていく。痛快とまでは言えないが、バブル期の日本とは違う、社会全体を覆うものを拾い出してくれている。やっぱりあれはおかしい、変だとたとえ小さい声も話すことを諦めずにいたい2025/03/30

じじちょん

5
空気・気配を察しなさいと、反論を封じ込めるような昨今の日本を書いた本。 SNSが発達したけど、かえって公に意見を言えない雰囲気が漂っていて、弱者や良心的な人の意見が潰されている。コロナ禍の自粛もそうだし、「わざわざ指摘するのも不寛容」こうして自主的隷属を強要されてしまう。 マスコミの影響も大きくて、実際に起こっている事は視聴者に知らされない。 オリンピックも終わってしまったけど、解決されていない出来事など粘り強く批判できる著者の存在は貴重かも。2022/05/01

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