内容説明
グローバル経済の起源は大航海時代にあると言われる。しかしそれよりはるか前、インド洋海域世界には二千年以上もの間、様々な民族、人種、宗教が交じり合う自由で自立した大経済圏が存在していた。季節風を利用した航海技術の確立により長距離交易が盛んに行われ、アフリカから地中海世界、西アジア、インド、東南アジア、中国にわたる広大な地域が一つに結ばれていたのだ。しかしレコンキスタ終結後、この経済網はヨーロッパ人に破壊され、奪われていく。イスラームの影響下で栄えた大経済圏・文化圏の全体像を、膨大な史料とフィールドワークをもとに描き出す、海域史研究の記念碑的名著。
目次
序 インド洋海域世界とは何か──木造帆船ダウを共有する文明
Ⅰ 海域と文明
A 海域とイスラーム史の展開
一 インド洋海域世界とネットワークの三層構造
B 海域ネットワークの成立
〈交易ルートの拡大と海上商人〉
二 インド洋交易ルートの繁栄──唐とアッバース朝を結ぶルートと港
三 インド洋全域をゆくスィーラーフ系海上商人
C 海域ネットワークの展開
〈港市の盛衰と人間の移動〉
四 スィーラーフの衰退と海外移住
五 キーシュの発展と商業の独占
六 アデンを根拠地としたスィーラーフ系豪商の行動
〈イエメン・ラスール朝をめぐる国際情勢〉
七 バーバル・マンデブ海峡をめぐる攻防
八 スルタン=マスウードのインド亡命
D 海域ネットワークの変容
〈力による海域支配〉
九 東からの挑戦──鄭和遠征分隊をメッカに導いたものは何か
十 西からの挑戦──インド航路の鍵を与えたのは誰か
E 巡礼と人間移動のネットワーク
〈巡礼と島嶼国家〉
十一 マルディヴ諸島海民のメッカ巡礼
〈移住と植民〉
十二 東アフリカ・スワヒリ社会の形成
十三 南アラビア・ハドラマウトの人びとの移住・植民活動
Ⅱ インド洋海域世界が育てた船の文化と信仰
〈ダウとインド洋〉
十四 古代型縫合船ダウ
十五 ダウの装飾と儀礼をめぐって
あとがき
文庫版あとがき
引用文献一覧
人名索引
地名索引
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