ちくま学芸文庫<br> インド洋海域世界の歴史 ──人の移動と交流のクロス・ロード

個数:1
紙書籍版価格
¥1,980
  • 電子書籍
  • Reader

ちくま学芸文庫
インド洋海域世界の歴史 ──人の移動と交流のクロス・ロード

  • 著者名:家島彦一【著者】
  • 価格 ¥1,815(本体¥1,650)
  • 筑摩書房(2022/01発売)
  • ポイント 16pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480510693

ファイル: /

内容説明

グローバル経済の起源は大航海時代にあると言われる。しかしそれよりはるか前、インド洋海域世界には二千年以上もの間、様々な民族、人種、宗教が交じり合う自由で自立した大経済圏が存在していた。季節風を利用した航海技術の確立により長距離交易が盛んに行われ、アフリカから地中海世界、西アジア、インド、東南アジア、中国にわたる広大な地域が一つに結ばれていたのだ。しかしレコンキスタ終結後、この経済網はヨーロッパ人に破壊され、奪われていく。イスラームの影響下で栄えた大経済圏・文化圏の全体像を、膨大な史料とフィールドワークをもとに描き出す、海域史研究の記念碑的名著。

目次

序 インド洋海域世界とは何か──木造帆船ダウを共有する文明
Ⅰ 海域と文明
A 海域とイスラーム史の展開
一 インド洋海域世界とネットワークの三層構造
B 海域ネットワークの成立
〈交易ルートの拡大と海上商人〉
二 インド洋交易ルートの繁栄──唐とアッバース朝を結ぶルートと港
三 インド洋全域をゆくスィーラーフ系海上商人
C 海域ネットワークの展開
〈港市の盛衰と人間の移動〉
四 スィーラーフの衰退と海外移住
五 キーシュの発展と商業の独占
六 アデンを根拠地としたスィーラーフ系豪商の行動
〈イエメン・ラスール朝をめぐる国際情勢〉
七 バーバル・マンデブ海峡をめぐる攻防
八 スルタン=マスウードのインド亡命
D 海域ネットワークの変容
〈力による海域支配〉
九 東からの挑戦──鄭和遠征分隊をメッカに導いたものは何か
十 西からの挑戦──インド航路の鍵を与えたのは誰か
E 巡礼と人間移動のネットワーク
〈巡礼と島嶼国家〉
十一 マルディヴ諸島海民のメッカ巡礼
〈移住と植民〉
十二 東アフリカ・スワヒリ社会の形成
十三 南アラビア・ハドラマウトの人びとの移住・植民活動
Ⅱ インド洋海域世界が育てた船の文化と信仰
〈ダウとインド洋〉
十四 古代型縫合船ダウ
十五 ダウの装飾と儀礼をめぐって
あとがき
文庫版あとがき
引用文献一覧
人名索引
地名索引

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

MUNEKAZ

14
9世紀から13世紀にかけてのインド洋海域世界を描いた一冊。東南アジア、インド、中東、アフリカ東岸とインド洋を巡る諸地域を股に掛け、アクティブに活躍する商人たちの姿に驚かさせるとともに、陸路では遠い地域も海を介せばお隣さんという当たり前の事実気付かされる。他に面白かった点としては、アッバース朝の没落とファーティマ朝の隆盛というイスラム世界の変化に伴い、インド洋交易の重心がペルシャ湾岸から紅海沿岸に移っていたこと、東(アラビア半島)から西(南インド)への商品として「馬」が大きな比重を占めていたことがあった。2021/09/14

Mits

1
今風に言うと、海のシルクロードってヤツかな。砂漠を渡るキャラバンだけで、いわゆるアラブ商人が成立したわけはないってのは考えれば当然だったし、大航海時代にポルトガル人がここに来るまでには、この辺はアラブ人が幅を利かせていたというのも、知ってはいたけど繋がってなかった。でも、地中海に比べると随分と広いし、難しい航海になるものをよくも行っていたものだ。2022/10/28

Go Extreme

1
インド洋海域世界とは何か―木造帆船ダウを共有する文明 海域と文明:海域とイスラーム史の展開 海域ネットワークの成立 海域ネットワークの展開 海域ネットワークの変容 巡礼と人間移動のネットワーク インド洋海域世界が育てた船の文化と信仰:ダウとインド洋2021/10/18

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/18414096
  • ご注意事項

最近チェックした商品