内容説明
行け! 勘五郎、父の敵討ちに。無住心剣流の達人・大河原源三郎を追い、ついに劇的な対決を迎える! 面白さ抜群の会心作ーー甲斐の山奥に住み、父の手で鍛えられた若き勘五郎。ある日、父が惨殺された。なぜ? 下手人は? ……左手首はないが魔剣をふるう大河原源三郎と見定め、敵討ちに江戸へ旅立つ。途中で、松江藩の駻馬(かんば)・夕立を鎮め、「夕立勘五郎」の勇名をはせる。そして、藩主の厚情を得て、剣鬼を追い、松江へ……。胸のすく爽快な活劇を描く時代小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
タツ フカガワ
7
甲州の山奥で育った勘五郎の父が剣鬼・大河原源三郎に殺される。父の仇を討つべく男を追って江戸に向かった勘五郎は、やがて松江藩と幕府の騒動に巻き込まれていく。岩魚を狙ってきた鳥を手づかみで捕らえたり狼を手なずけたりという野生児勘五郎の異能ぶりや世間知らずの純朴ぶり、それに剣劇やお家騒動など、時代小説直球勝負の痛快さを堪能しました。2019/04/07
ryohey_novels
6
宮本氏らしさ満載の時代活劇。勘五郎の仇討ちに始まり、松江藩のお家騒動、最後は絡繰屋敷での大乱闘。旗本の佐四郎、忍びの萩中喜八、力士の釋迦ヶ嶽雲右エ門と身分も所属も異なる猛者が30人の御庭番衆と戦う場面は鳥肌もの。火を放ったシーンはドキッとしたが、そこで平賀源内か。実在の人物や史実を驚くほど広げていくのが改めて上手い。宮本氏、高橋克彦氏、好きな作家さんの共通点。そして黒幕にも一捻りあったのが良い。今放送中の大河ドラマ『べらぼう』を見ていると田沼と武元の対立がよく分かり面白い。“やはりお前か、白眉毛…”2025/07/30
Steppenwolf
1
Eいっとき著者宮本昌孝の本を読みまくった。本書の出来栄えも素晴らしく最高評価をしていた。にもかかわらず登録漏れしていた。
tomo
1
☆☆☆2010/01/01
Zhao
1
夕立勘五郎って講談のキャラらしいけど、当たり前だがそんなことは知らない。面白かったけど、わくわくするほどでもなかったかもしれないな。ただ主人公の明るさや取り巻く人々を巻き込んでいくさまはなかなか清々しい。2013/03/19