講談社文庫<br> タソガレ

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講談社文庫
タソガレ

  • 著者名:沢村凜【著】
  • 価格 ¥803(本体¥730)
  • 講談社(2022/02発売)
  • ポイント 7pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784062777568

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内容説明

恩知らずな振る舞いをして、ストーカーまで呼び込む彼女の、他人には理解されにくいハンデは乗り越えられるか。心温まる愛と勇気のミステリー。……ぼくの彼女は、ぼくの顔を覚えられない。「相貌失認」という生きにくさを背負う彼女に、次々と襲いかかる事件。愛の力は、試練を乗り越えられるか? ーー社交的だったり、シャイになったり。その落差に惹かれて里美とつきあい始めた祐児。しかし、初めてのパリ旅行で、お世話になったご婦人を無視する里美に憤った祐児は、彼女から人の顔を覚えられない「相貌失認」だと打ち明けられる。人知れぬ生きにくさを背負う彼女が招く数々の苦難を、二人は乗り越えられるのか?

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

yu

45
彼女が相貌失認。そんな彼女との間の出来事をちょっとしたミステリー仕立てに綴った物語。 相貌失認が人口の2%にも及ぶことに驚いた。 『昼になじめず、夜に溶け込めず、タソガレどきは、短すぎる』 この言葉の意味を知って、なるほどと思った。『タソガレどき』は彼女のための言葉であり、時間だったんだね。2014/03/17

らむり

43
相貌失認という病気は、テレビで見て知ってたつもりでしたが、その認識が改まるお話でした。恋愛というよりミステリーだと思います。2014/04/15

22
相貌失認の彼女とその彼氏が、身の周りの出来事を乗り越えるというミステリー調の物語。相貌失認の存在を初めて知りました。この本を読み終わった時、雲のようにふわふわした優しい感情が私の胸を支配していました。「昼になじめず、夜に溶け込めず、タソガレ時は短すぎる」そんな冒頭の文章は、本を開いていない時にも頭に浮かび続け、この物語の代名詞として今も私の心に刻まれています。2014/07/05

ワニニ

15
表紙か!それとも帯にやられたか!? いや帯というか、この話の肝になっている三行の言葉ですね。その言葉と「相貌失認」という先天性の病気の扱い方、絡め方はとてもよいと思うのだけれど、どうもノリが合わなかった。人物キャラが馴染めないというか、濃いのに薄いというか…(-_-;それから、障害のことを重くならずに、ドキドキストーリー、ちょっといい話・笑える話みたいに読めてしまえるようなところが、逆にダメなのかも。三行の言葉は、ステキで切ないんですけどね。初読作家さんなので、別のものも読んでみようかな?2014/02/28

ローリー

12
私としては骨太なファンタジーに力を発揮すると思っている沢村凜の、現代を舞台にしたミステリ連作短編集です。主人公は何でも屋で働く男で、人の顔を覚える事ができない「相貌失認」を持つ彼女がいる。その二人の身に起きた色々な事件を、彼女の親友を絡めて扱った作品です。最初のパリでのお年寄りに失礼な事をしてしまう彼女のくだりで少し気分が落ちてしまい、なかなか読み進める事ができなかったのですが、そこを乗り越えたら後は一気でした。現代を扱った作品を読むのは二作目ですが、どうしてどうして面白い作品で最後まで楽しめました。2014/03/14

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