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内容説明
他の先進国が消費を拡大する中、なぜ日本だけが沈み続けるのか――原因は、緊縮財政でも消費増税でもなく「日本人の性格」だった。高度成長からバブル期は、人口増加、輸出主導で我が世の春を謳歌した。が、自己陶酔した「優しさ」「思いやり」「絆」の像とは裏腹に、じつは猜疑心が強く、他人の足を引っ張るという隠れた国民の本性が、「失われた30年」で明らかになった。後ろ向きな心持ちでの景気向上はあり得ない。本書は日本人の消費マインドが萎縮する現状を分析、数多のデータから景気浮揚できない理由を指摘し、解決策を提示する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
レモン
45
タイトルに惹かれて、というか驚いて購入。近代化を果たせず前近代的ムラ社会のままであることが、経済成長を阻害している要因であることをデータで分析されている。和を重んじる日本社会はゲマインシャフトという概念に当てはまり、情緒的・感情的に個人の意思が決定されたり、ルールや契約ではなく地縁・血縁・宗教で関係性を構築するなど、特徴を列記されると頷けるものばかり。前職でも人の足を引っ張ることに必死になっている人がいたり、長く勤めていることだけが重視され実際の貢献度は二の次だったりすることがあった。2022/11/03
てつのすけ
40
我が国においては、論理的、合理的に判断するより、その場の空気を重視する傾向が強い。たしかにそう思うことが多い。たとえば、私の勤務先では、在宅勤務できるにもかかわらず、コロナ禍において感染者が増加しているときでも、アホみたいに毎日出社しているヤツがいる。その理由は、業務の効率を上げるためではなく、その場にいないと所属員の雰囲気がわからないからだそうだ。そして、感染した。まったくもって非合理的だが、当の本人は、イケてるビジネスマンでいるので質が悪い。反面教師として、自分はこのようなことはしないでおこう。2022/02/09
まゆまゆ
23
バブル崩壊後の日本社会が低成長に苦しんでいるのは輸出経済への対応ができなかったこともさることながら、前時代的ムラ社会のマインドと近代経済的な考え方がいまだにぶつかりあっていることが原因であることを紹介していく内容。知らないものや外部の良いものを取り入れようとせず、他人の足を引っ張って悦に入るマインドは令和の現代でも未だに多数派であり、明治時代から言われていることは変わっていない……2022/05/09
にゃにゃころ
20
悲しいかな、おっしゃる通り...としか言えない内容。でも、決して日本人の性格が悪いっていうのではなく、要は昔からのムラ社会がずっと根強く残っているってこと。トップに立つ人の傲慢さ。データに基づく科学的な指摘を受け入れられない幼稚さ。たとえ自分が損しても他人の幸運を阻止する嫉妬深さ。自分の好き嫌いの感情で大事なことを決めてしまう。トップは肩書だけで偉そうにふんぞり返り、その下で庶民同士が足の引っ張り合い。それなのに「ニッポンスゴイ」って今はなんも凄いことないのに。あぁ、明るい日本の未来が見えなくて悲しい..2025/08/23
はやたろう
20
日本経済の低迷の原因を、日本人の特質から分析。日本人の根本的な考え方は、昔から変わっておらず、成功体験に酔いしれて、それ以上の進歩革新を怠っているのが原因みたいだ。確かに、日本人は、日本はすごい的な感覚が大きいように思う。空気感で戦争が始まったと言うことも書かれていたが、とんでもないことだ。ちょうどマスクを取るのは個人の判断と言う時期になったが、みんなつけたまま過ごしている。それもこれもそういう空気だからそうしてるだけで、誰かが取れはそれに影響され、自分の意思でなく進んでいくんだろうな。2023/03/23