内容説明
しがないサラリーマンの鶴ヶ崎のもとに、ある日、女の姿をした悪魔が現れた。今日は神さまがくれた、一生に一度の「サービスデー」。どんな願い事も叶う一日だというのだが……。この大チャンスを、彼はどう生かすのか?(表題作) アパートに現れる女性の右手首だけの幽霊と住人の、不思議で心温まる交流(「あおぞら怪談」)。短編の名手が贈る、心に元気をくれる傑作集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
射手座の天使あきちゃん
169
流石、ホームランは無いけど確実にヒットをセンター前に打ち返す朱川さんですね えっ、例えが良くないですか? <(^_^; 今回もファンタジーあり、ライトホラーあり、人生訓的なお話ありの短編集 なかでも「蒼い岸辺にて」の船頭さん、いい味出してますねェー、助演男優賞あげたいですぅ!!(笑)2015/04/29
takaC
104
「本日、サービスデー」ツルちゃんは結果的にサービスデーを生かしたのね?/「東京しあわせクラブ」ホラーなの?きもさぶ。/「あおぞら怪談」サゲ(マニア向け)は必要なのか?/「気合入門」少年の気持ちは手に取るように解る。/「蒼い岸辺にて」これもまたサービスデー。2014/11/18
tengen
101
朱川湊人さんの不思議系短編集。 人には1日だけ、神様から与えられた何でも叶うサービスデーがあるそうな。 さて、私ならどう使うか。 日下部さんとるり子の話が良かった、最後のマニア系に笑った。 小一のザリガニ釣りの話も三途の川の話もホンワカして朱川さんらしい話。 本日、サービスデー / 東京しあわせクラブ / あおぞら怪談 / 気合入門 / 蒼い岸辺にて2013/09/30
KAZOO
97
朱川さんの本は大きく分けると昭和の時代の懐かしさを感じさせるものと怪異が中心となるものがありますがこの本は後者に属すると思われますが何かほんわかした感じがしました。短編が5作あるのですがそんなに結末も厳しいものはあまりなく不思議な気が残るような感じでした。2021/11/14
まこみん
90
表題作の設定(天使のガブリエルと悪魔のサターナが登場)が、既視感があったのは、以前読んだ「今日からは愛の人」で出会っていたからだった。一生に一度サービスデーがどんな人にも与えられるが、本人にはその日の存在を知らされない。だがサターナの出現によってその日を知らされてしまった鶴ヶ崎は、自分のせいで飛行機事故が起きた事に驚愕する。その飛行機には彼を良く思わない上司が乗っていて、リストラ宣告されたばかりだった。1日限りの願いが叶う日をどの様に使うか、彼が私なら…!?他「東京しあわせクラブ」はブラック朱川さん。2019/06/08