気候危機とグローバル・グリーンニューディール

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気候危機とグローバル・グリーンニューディール

  • ISBN:9784909515063

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内容説明

世界的知識人チョムスキーと世界最大再エネ投資をオバマ政権下で監督したポーリンによる気候危機解決の書

気候危機は解決できる。世界で最も引用されている存命中の知識人ノーム・チョムスキーと、世界最大の再エネ投資計画をオバマ政権下で監督したロバート・ポーリンが、気候危機を公正に解決するための「グローバル・グリーンニューディール」構想を語る。現実を冷徹に直視する「心の悲観主義」から、その現実をより良い方向へ変えるための政策や行動に基づく「意志の楽観主義」へと到達する。Fridays For Future Japanのメンバーたちによる力強いまえがきと訳者による最新英文資料の紹介を添えた豪華日本語版。

【著者】
ノーム・チョムスキー
1928年生。言語学者、批評家、活動家。アリゾナ大学言語学栄誉教授。『統辞構造論』(1957年)において言語学に「チョムスキー革命」をもたらし、その後も生成文法研究の発展を牽引し続けた。エドワード・ハーマンとの共著『マニュファクチャリング・コンセント』(1988年)では自由民主主義社会における思想統制のメカニズムを分析した。主に自国アメリカの国内外での強権主義に対して、アナーキズム思想と大量の歴史的資料に基づいて重厚な批判を展開している。存命中の学者としては世界で最も多く引用されている

ロバート・ポーリン
1950年生。経済学者。マサチューセッツ大学アマースト校経済学特別教授。オバマ政権のエネルギー省で2009年アメリカ復興・再投資法のグリーン投資分野の政策顧問を務め、公共投資としては世界史上最大規模となる約900億ドルという金額を運用し、世界最大規模の風力発電基地や最先端の太陽光発電所を含む10万件以上の事業に資金提供を行った。また国際労働機関(ILO)や国連工業開発機関(UNIDO)を含む多くの諸団体の顧問も歴任した。

フライデーズ フォー フューチャー ジャパン
気候危機の公正な解決を目指す国際運動「未来のための金曜日」の日本勢。2018年8月にグレタ・トゥーンベリを筆頭に若い活動家たちが運動を立ち上げ、2019年2月には日本でも発足した。2019年9月の世界気候ストライキでは600万人から700万人ほどの人々が世界各地で行動を起こした。気候正義をキーワードに政策提言やグローバルアクションを行いつつ、国内外の労働者や少数派と連帯して活動を続けている。

クロニス・J・ポリクロニュー
1957年生。政治経済学者、ジャーナリスト、著作家。グローバリゼーション、気候変動、環境経済学、新自由主義批判、そして欧米の政治経済の動向などのテーマについて1000本以上の記事と多くの著作を執筆し、欧米の大学や研究機関で教鞭をとってきた。

早川健治
1989年生。翻訳家、著作家。著書に『Echo and Gr a: Philosophical Dialogues』(Dialectical Books)、英訳書に多和田葉子著『Opium for Ovid』(Stereoeditions)、邦訳書にヤニス・バルファキス著『世界牛魔人―グローバル・ミノタウロス』(那須里山舎)、アンドリュー・ヤン著『普通の人々の戦い』(那須里山舎)などがある。

目次

日本語版へのまえがき(Fridays For Future Japan)
序文(クロニス・J・ポリクロニュー)
第1章 気候変動の実像
第2章 資本主義と気候危機
第3章 グローバル・グリーンニューディール
第4章 地球を救うための政治参加
訳者あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

香菜子(かなこ・Kanako)

17
気候危機とグローバル・グリーンニューディール。ノーム・チョムスキー先生の著書。気候変動をとめるグリーン経済は人類の未来には絶対必要。気候変動をとめるグリーン経済なくして人類の未来はない。だって気候変動をとめないと地球温暖化で地球は人類が住めない場所になってしまうのは常識だから。ただ、気候危機とグローバル・グリーンニューディールは子供たちにとっては少し読むのが難しい内容。気候危機とグローバル・グリーンニューディールの内容をもっとわかりやすく子供たちも読めるようにしたら、それはきっと人類の未来につながる。2022/12/16

ゆうきなかもと

11
気候変動に対する具体策はあるということはわかった。そしてこれが実行されなかった場合にその後何が起こるのかというシナリオまでわかった。ロシアのウクライナへの侵攻。そしてそれを煽るように武器をウクライナへ寄付しまくる欧米諸国の有様。などなどと合わせて考えると、チョムスキー&ポーリンの具体策はほぼ実行不可能に感じた。 チョムスキーもいうように地域社会レベルでの相互扶助活動が大切になると感じた。 もちろん世帯レベル、個人レベルでの備えも必要なんだと痛感した。2022/05/30

くものすけ

7
IPCC(気候変動に関する政府間パネル)の提示した2050年までに化石燃料使用ゼロという方針に従い、世界は本気で取り組まないと、地球には人類及び他生物は生き永らえないだろうことを力説。取り組み方針については4つほど提案されています。どれも莫大な費用が掛かるし、残された時間は限定的…最近人々の地球環境に対する意識は多少変わってきたがまだまだ”他人任せ”の状態だと思う。廃絶すべき石炭、石油、天然ガスに関わる産業の経営者・労働者を再生エネルギー産業等へのシフトが短期間にスムースに行くのかも大きな障害となりそう…2024/10/13

Tomozuki Kibe

6
経済学者ポーリンによる啓発の書。前半半分はトランプと共和党政権・それにつながる大企業批判に徹する。後半でようやくグリーンニューディールが出てくるが…新たな提言は少ない。SDGsと重なるが、結論を上げてその方法の提示は少ない。一応4部門挙げているが、「軍縮で浮いた金を回す」とか、化石燃料産業は0になってもエコ産業が興るからいいとか、…そうなればいいですねとしか…。最終的にどうすればそうできるか、の理論が弱い。本論はインタビュー形式で読みやすいが、質問作成は言語学者によるAIなんですね。ここまで来たか。2023/09/26

左手爆弾

3
環境問題に対して、資本主義の枠組みや便利さを維持したまま対処する方策を考える本。まずは気候変動が存在しないという懐疑論をデータに基づいて否定する。その上で、気候変動対策を優先させるために貧困層の雇用や生活が奪われてはならないと主張される。フランスの「黄色ベスト運動」はまさにこれが現れた運動だ。貧しい人は目の前の生活で手一杯だが、気候変動問題はそれよりは長いスパンでの(しかし差し迫った)問題だからである。本書の議論の軸はおよそこの点にある。2022/02/09

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