内容説明
二昔も前に愛した女と、旅先きで待ち合わせた男。だが、その彼の前に現れた「その女(ひと)」とは? 「椿のかわりに萩を抱きません?」と言い寄る、その女の真意は果たして何か……という表題作など、萩、柳川、会津、盛岡、異国・北京、能登、と6つの地を舞台に展開する愛の虚実を、詩情豊かに描く秀作短編6編。愛の真実とは?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
32
連城さんの恋愛ものはあまりくどくなくてさらっと読むことができます。本当はミステリータイプのもののほうが好きなのですが、ここにある6つの作品は抒情性があってしかも男と女の間にべたっとしたところがないような気がします。最後になぜというようなところも明かされてああそうなのかと納得すrこともあります。2015/03/06
Jimmy
2
連城さんのご当地名付きの短編集。実は連城さん御得意のドンデン返しといおうか騙しといおうか、が連続せずに控えめで逆に読みやすかった。一歩間違えば誰が書いても同じな作品になってしまうところが、そこはそれ連城さん、結局は上手いオチが待ってます。2019/03/23
浅木原
2
再読。いやあんまり特に言うことはないんだけど、「北京の恋」にそうだこれもあのパターンだよ!と思った。ほんとこのパターンの反転劇の話何本書いてるんだ連城。でも毎回騙されるんだよなあ。2014/11/11
浅木原
1
旅情恋愛短篇6編。雨の萩で着物の女を追いかける場面が印象的でミステリ的な意外性もフィーチャーされた表題作がベストかな。優美な文体がしみじみと味わい深い。50年前の初恋の人に会いにいくおばあちゃんの話「みちのくの月」もけっこう好き。まあしかし連城三紀彦の恋愛小説って色んな意味で着物を着た女の話だよなあと思う。21世紀の人間にはもはや時代小説みたいなもん?2014/08/05
kanamori
0
☆☆☆2011/10/02