内容説明
洋画壇のなかで、男たちをカンバスにして、自分の人生を描き続けた女がいた。いつも新しい玩具を欲しがる童女のように、次々と男をとりかえ、奔放な暮らしを続けた。世間からは「魔性」と呼ばれる生命の破壊力で、男たちすべてに破滅を与え、その破滅こそが愛の証しと考え、激しく生きた女が遺した、1枚の絵。破滅こそ愛の証し。魔性の愛を描く、長篇恋愛小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
美雀(みすず)
36
怖い女性だった。実在する人の物語なのかな?と思えば、創作だというから驚きだ。まるで娼婦みたいでした。2014/09/08
Jimmy
2
実は連城作品の中でも一番つまらなかったです。起伏がなくて一本調子の語りで、すでに真ん中ぐらいから飽きてしまいました。でもこれも私が連城さんは仕掛けの天才!という読み方をしているせいで、女の情念を描く、などという純文的視点ではすごい評価かもしれませんが、ミステリ作家・連城に敬服している私には、冒頭の設定は全然生きてなくて余分だし、ヒロインの激烈なる生命力、ってものにも?だし。奔放だったはずが策を弄する、ってある意味ひ弱さが、強さで語った前半からの凋落に途中から情けなくなり、ページをめくるのが残念でした。2014/10/13
浅木原
2
数多の男の間を渡り歩き、天才画家だった自らの息子を破滅させた女の生涯を追うノンフィクション風に仕立てた小説。連城三紀彦の長編とは思えないほどシンプルな話で、人間関係も入り組んでいるけど常に笙子という女が中心にいるので混乱することはない。しかしまあ主役の笙子はまさに畜生畜生アンド畜生なんだけど、そんな女の一代記を連城三紀彦の艶めく文章が読ませること読ませること。芸術の世界でやりたい放題生きる女を、生理的嫌悪とイヤミス的なブラックな笑いの狭間で華麗に綱渡りを決めて芸術と愛憎と物語として走りきる。ようやるわ。2014/05/29
kanamori
1
☆☆☆2011/10/02
kayoshi
1
★★★・・ 2003/10/10
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