内容説明
日々を無気力に生きている高校生・樹の前に現れた少女・ナナミ。自分は病気でもうすぐ死ぬ。だから“難病もの”のヒロインのように想い出を作りたい。そんな願いに付き合い始めた樹は、つまらない映画のエンドロールのようだった毎日が色彩豊かなものになっていくのを感じていた。
しかしある事件をきっかけに、樹は自分が憶えていられる日々が徐々に少なくなっていることを知る。そして“記憶の日数”がゼロになった時……。“もうすぐ死ぬ”のは彼女ではなく自分だった?
徐々に明らかになる事実があなたの認識を逆転させる、新感覚の青春ストーリー!
#1 私もうすぐ死ぬんだ、と、目の前の少女は笑って言った。
#2 お前はもうすぐ死ぬんだ、と、彼は悲しげに言った。
#3 君を想い出になんてさせない。
#4 私の過去と、私の未来。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
29
日々を無気力に生きる高校生・樹の前に現れた少女・ナナミ。病気でもうすぐ死ぬから難病ものヒロインのように想い出を作りたいという強引な彼女の願いに、流されるように付き合い始める青春小説。ナナミに付き合わされ振り回されていたはずが、いつの間にかつまらない映画のエンドロールのようだった毎日が色彩豊かなものになっていくのを自覚する樹。だからこそ意外な事実が明らかになるたびに物語の構図が変わって、その意味合いを変えてゆく展開がなかなか印象的でしたが、最後まで諦めない思いがもたらした奇跡にはぐっと来るものがありました。2022/01/26
ツバサ
10
難病モノとして捻った仕掛けはあったが、予想の範囲内だったのは残念。最後の物語の行方は良いものでした。2022/01/27
leo18
7
不登校の少年樹の前に突然現れ疑似恋人の関係を迫る少女七海。序盤から数多くの引っ掛かりで読ませる力を感じるが、総じて展開としては既視感が強い。この真相ならヒロインの恋心や執着心について疑問が残る。2022/02/12
色素薄い系
5
仕掛けは単純だったんだけど上手く隠されていたなぁという印象。あとがきから読むとネタバレがあるので非推奨。個人的にはそんなに気にはならなかったけど序盤のナナミの振る舞いが気になる人はなるかもしれない。2022/09/01
Nori
4
ラストがとても綺麗な恋物語でした。2022/11/25