朱より赤く~高岡智照尼の生涯~

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朱より赤く~高岡智照尼の生涯~

  • 著者名:窪美澄【著】
  • 価格 ¥1,584(本体¥1,440)
  • 小学館(2022/01発売)
  • ポイント 14pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784093866316

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内容説明

何かを断たなければ、生きていけない。

 父は、女にだらしのない鍛冶職人だった。物心ついたとき、すでに母はいなかった。綺麗な着物を着せたる、という父の誘うような言葉に乗じて、12歳だった彼女は、気が付けば菜乃葉の名で大阪にて舞妓見習いをさせられていた。
 14歳で旦那への腹いせのようにして小指を切り落としたことで世間の耳目を集め、ブロマイドは飛ぶように売れた。花柳界から退いたあとも、社長夫人、映画女優と華やいだ世界に身を置いた。
 それでも、彼女の心が定まることはなかった。38歳、仏門を叩いた。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

starbro

262
窪 美澄は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。 実在した高岡智照尼の波乱万丈の人生、美貌ゆえ、運命に翻弄されたんでしょうね。私は新橋の近くで働いているので、芸妓 琴葉に逢ってみたかったです。 https://shosetsu-maru.com/yomimono/essay/akayoriakaku2022/03/04

パトラッシュ

191
男女差別の厳しい時代、父親に舞妓に売られた娘の未来などあってないようなものだ。後の高岡智照尼も男たちの身勝手に翻弄された末に名もなく消えるはずだったのが、心の奥底に秘めた激しさ故に後世に名を残すことになる。男女を問わず愛した相手に裏切られるか引き裂かれ、アメリカで学ぶ経験を得ながら役立てられず、ようやく仏門に安らぎを得るまで30数年なのに信じ難い波乱万丈の連続だった。女にとって厳しい世を乗り越えた強さに著者は惹かれたのかもしれないが、生涯の各挿話が素描画のようでもっと詳細に書き込まれた物語が読みたかった。2022/05/23

のぶ

140
窪さんの新刊は明治から平成までを生きた女一代記だった。モデルは高岡智照。明治29年奈良に生まれたが、2歳のときに母親が亡くなり、12歳で父親に騙されて売られてしまう。その後、菜乃葉の名で大阪にて舞妓見習いをすることになる。芸妓時代の14歳で旦那への腹いせで小指を切り落とし、世間の注目を集める。その後は女優をしたりして波乱万丈の人生を送る。38才で仏門に入るところで物語は終わるが、本人は98歳まで生きたようだ。ドラマチックな生涯で、窪さんの目に触れたのも、もっとものような感じ。面白かったです。2022/02/13

ウッディ

137
12歳で芸者になり、嫉妬による婚約解消の末に自分の小指を切り落とし、その後も、社長夫人として渡った米国で同性愛を知り、女優、バーのママ、作家として生き、38歳で尼僧になった高岡智照の数奇な半生を描いた一冊。これだけ盛沢山な出来事は、どう考えても215頁には収まらず、一つ一つのエピソードの書き込みが浅かったような気がした。若くして苦界に入り、欲にまみれた男たちを見ざるを得なかった彼女の目に、世界は、そして人生はどのように映ったのだろうか?そんな想いを胸にあっさりと読了した。2022/05/20

モルク

133
父親に騙され12才で身売りされ大阪に行った少女はその器量のよさから売れっ子舞妓となるも、14才で旦那からの嫉妬の腹いせに小指を切って送ったことが新聞沙汰になり悪評が広まる。その後東京へ…身請けされ結婚、そしてアメリカに行き報われない恋をする。帰国し、離婚、女優となり38才で出家し高岡智照尼となる。めまぐるしい波瀾万丈の人生、その間の数々の男関係。人の名前も覚えきれず、男に振り回されたのか、あるいは彼女が男を振り回したのか。テンポが速すぎて気持ちが追いつかない。アメリカで愛した人のその後はどうなったのかな。2023/04/23

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