新しい世界の資源地図―エネルギー・気候変動・国家の衝突

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新しい世界の資源地図―エネルギー・気候変動・国家の衝突

  • ISBN:9784492444665

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内容説明

原油価格はなぜ激しく変動するのか?
米中関係はどうなるのか?
地政学とエネルギー分野の劇的な変化によって、どのような新しい世界地図が形作られようとしているのか?
地政学リスクから第一人者が読み解く『ウォール・ストリート・ジャーナル』ベストセラー

エネルギー問題の世界的権威で、ピューリッツァー賞受賞者の著者が、エネルギー革命と気候変動との闘い、ダイナミックに変化し続ける国際政治の地図を読み解く衝撃の書。最新情報が満載!

日本人が知らない資源戦争の裏側とは?
米国vsロシア・中国の新冷戦、エネルギー転換の未来を描く!

[米国]「シェール革命」で中東と距離を置く
[ロシア]市場を求めて中国と急接近
[中国]「一帯一路」で中東・欧州にも影響大
[中東]石油需要枯渇への危機感が増す
[自動車]石油の地位を脅かす自動運転車と電気自動車
[気候変動]再生可能エネルギーや政策の役割の比重が増大

目次

序 論
第1部 米国の新しい地図
第1章 天然ガスを信じた男
第2章 シェールオイルの「発見」
第3章 製造業ルネサンス
第4章 天然ガスの新たな輸出国
第5章 閉鎖と開放──メキシコとブラジル
第6章 パイプラインの戦い
第7章 シェール時代
第8章 地政学の再均衡
第2部 ロシアの地図
第9章 プーチンの大計画
第10章 天然ガスをめぐる危機
第11章 エネルギー安全保障をめぐる衝突
第12章 ウクライナと新たな制裁
第13章 経済的苦境と国家の役割
第14章 反発──第2のパイプライン
第15章 東方シフト
第16章 ハートランド──中央アジアへの進出
第3部 中国の地図
第17章 G2
第18章 「危険海域」
第19章 南シナ海をめぐる3つの問い
第20章 「次の世代の知恵に解決を託す」
第21章 歴史の役割
第22章 南シナ海に眠る資源?
第23章 中国の新たな宝の船
第24章 米中問題──賢明さが試される
第25章 一帯一路
第4部 中東の地図
第26章 砂上の線
第27章 イラン革命
第28章 湾岸戦争
第29章 地域内の冷戦
第30章 イラクをめぐる戦い
第31章 対決の弧
第32章 「東地中海」の台頭
第33章 「答えはイスラムにある」──ISISの誕生
第34章 オイルショック
第35章 改革への道──悩めるサウジアラビア
第36章 新型ウイルスの出現
第5部 自動車の地図
第37章 電気自動車
第38章 自動運転車
第39章 ライドヘイリング
第40章 新しい移動の形
第6部 気候の地図
第41章 エネルギー転換
第42章 グリーン・ディール
第43章 再生可能エネルギーの風景
第44章 現状を打開する技術
第45章 途上国の「エネルギー転換」
第46章 電源構成の変化
結 論──妨げられる未来
エピローグ──実質ゼロ
付録──南シナ海に潜む4人の亡霊
謝辞
用語一覧

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

trazom

134
講釈師のように臨場感たっぷりにエネルギーの世界を語るヤーギンさんの著書に血沸き肉躍る経験をした一人として、新入社員には、いつも「石油の世紀」「探求」を読むようにと薦めてきた。そのヤーギンさんの2020年9月新刊の邦訳。中東と米国中心のエネルギー地政学が、ロシアと中国に大きくシフトしている。今日のウクライナ問題を予言するかのような記述も流石である。世界が急進的に脱炭素に流れる中で、ヤーギンさんは中庸な姿勢を崩さない。それを、懐の深い見識と見るか、化石燃料に固執する時代遅れと見るか…歴史の審判を待ちたい。2022/04/03

まーくん

113
『石油の世紀』の著者ダニエル・ヤーギンの最新刊。地政学的観点から、米国、ロシア、中国、中東に焦点を当てエネルギー事情を論じている。米国はシェール・オイルの「発見」により世界一の産油国となり、石油・天然ガスの輸入国から輸出国へ劇的に変わった。ロシアは「エネルギー大国」だが、経済面で石油・ガス輸出に大きく依存している。プーチンはソ連崩壊で失った大国の地位を取り戻そうとしている。中国はここ20年にわたる経済力・軍事力の飛躍的伸長と世界最大に近づく経済をエネルギー需要に基づき、南シナ海領有権主張についても。⇒2022/04/18

ひろき@巨人の肩

95
アメリカを資源輸出国に変貌させたシェールガスの地図、ウクライナを経由して欧州に張り巡らされるロシアのパイプラインの地図、ペルシャ湾を挟み覇権を争うサウジアラビアとイラクを中心とした中東の地図。シェール革命後の世界地図は、アメリカ・ロシア・サウジアラビアが資源大国として台頭し、自動車と気候の地図が書き換わることで、資源需要減少を牽制する形となった。その中で中国が目指す地図は、ロシア資源と一帯一路を組み込んだサプライチェーンの構築、EVや太陽光発電による再生可能エネルギー大国としての台頭。再読必須の面白さ。2023/12/18

ルピナスさん

83
「地政学の地図はゆっくり変化する。しかし政治や技術や経済の地図は急変し、通り抜けるには用心と熟慮が求められる、難所に満ちた地勢が露わになることがある。私達は今、そのような地に足を踏み入れている。」世界経済が繋がりなくして成り立たない今日、地球に住む人々には、気候変動と言う地図形成上決定的な特徴となった共通の課題を前に、協力の可能性・対立のリスク・異なる利害関係者間の新たな緊張関係等不安定要素が絶えない。しかし、支払う犠牲が大き過ぎる戦争だけは悪。壮大過ぎる問題と諦めず気持ちが希望の方向に振れた一冊だった。2022/10/16

Sam

62
初読の著者。きっと偏った見解の書物だろうと(なんの根拠もなく)思っていたが、全くそんなことはなく、詳細かつ具体的でありつつも俯瞰的でバランスの取れた良書であった。構成としては米国から始めてロシア、中国と続き、中東を取り上げたあとは自動車を、そして最後は気候変動をテーマに取り上げる。読み物として面白いというだけに留まらず、現代の世界の課題をエネルギー地政学という観点から理解するうえでも役立つ。かなり大部ではあるけれどもこの分野に興味のある人にはぜひともお勧めしたい一冊。2022/04/24

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