ちくま新書<br> 政策起業家 ――「普通のあなた」が社会のルールを変える方法

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ちくま新書
政策起業家 ――「普通のあなた」が社会のルールを変える方法

  • 著者名:駒崎弘樹【著者】
  • 価格 ¥880(本体¥800)
  • 筑摩書房(2022/01発売)
  • 夏休みの締めくくり!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~8/24)
  • ポイント 240pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480074508

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内容説明

「政策起業家」とは、民の立場で社会のルールや制度を変え、時には新たな法律まで作ることができる人だ。人口減少の日本社会は既存のルールを変える必要があるが、官僚や政治家にはできていない。著者は「フローレンスの病児保育」「おうち保育園」「障害児保育園ヘレン」などを次々に立ち上げ社会を変えてきた。その悪戦苦闘ぶりをオープンにし、これまで政官に閉じていたルールメイキングを、「普通の人」ができるようになる社会にしていきたい。

目次

プロローグ
第1章 小麦粉ヒーローと官僚が教えてくれた、政策は変えられる、ということ
アン◎◎マンショーに800万。審議会という闘技場
霞ヶ関のゲームのルールを知る
政策を売りこむメカニズム
第2章 「おうち」を保育園にできないか? 小規模認可保育所を巡る闘い
襲いかかる待機児童問題
定員20人の壁
「昔からそうだったんで」
偉くなってた知り合いのおじさん
物件探しに暗雲
動かない自治体
区議会まわり
集まる保育士さん
近隣住民という名の障壁
張り込みの日々
諦めたらそこで
おうち保育園誕生
国にパクられるという栄誉?
わざと国にパクらせる
国会で法案が通らないかも
キーマン政治家を集めて討論
制度の中身を詰める
第3章 「存在しない」ことになっている医療的ケア児たちを、社会で抱きしめよ
誰も医療的ケア児を預かってくれない
テクノロジーが生んだ新しい障害児
使える制度がない中に、ひた走るグレーゾーン
塩対応の行政たち
情熱ある担当者
障害児保育園「ヘレン」に
物件が決まらない
立ちはだかる東京都
それぞれの持ち場での闘い
開園の日
優しいおじいちゃんとの出会い
超党派の会議が始まる
書き換わる法律
萌々華ちゃんの叫び
オランダから総理へ
報酬改定を巡る戦い
ヘレンの子どもたちが認可園に転園
国がダメなら都
報酬改定をめぐる闘い、再び
医療的ケア児支援法のために立ち上がる当事者
医療的ケア児支援法成立
第4章 如何に「提言」を変革へと げるか
ひとり親の手当が低すぎる問題
炎上騒動
署名を官房長官に届ける
保育士不足なのに保育士試験は1年に1回
特区出したら、潰すから
官僚vs官僚
第5章 社会の「意識」を変えろ イクメンプロジェクトと男性育休義務化
イクメンプロジェクトの発足
イクメンプロジェクトの成功
伸びない男性育休取得率
もうイクメンとかって寒い
前向きな政治家たちとの出会い
男性育休義務化議連の発足
バス停で倒れる
巨象が進む道を掃除する
小泉進次郎電撃さずかり婚発表
小泉進次郎、文春砲に被弾
コロナ禍が席巻
「男性産休」案が労政審に提出される
第6章 「保育園落ちた 日本死ね!!!」SNSから国会へ声を届かせる方法
起点となった匿名ブログ
安倍総理、下手をこく
小さな国会デモが大きな波紋を
我々は十分やっていたと思っていた
「もしもし、安倍です」
そして保育士の処遇改善へ
第7章 政策ができて終わりじゃない? 「こども宅食」の挑戦
こども食堂で見えなかったもの
ゴミ屋敷にいた子どもの耳に
文京区長に持ちかける
LINEによる申し込み
こども宅食で出会う家族
ひとりでに広がるこども宅食
新型コロナ禍、そして政策化へ
動かない自治体
自治体向けオンライン説明会
うべおたすけまんぷく便
第8章 1人の母が社会を変えた 多胎児家庭を救え
始まりは1通のLINEのメッセージから
保育園での衝撃
外からは気づけなかった、多胎児家庭の孤独
勇気をだして地元の政治家に連絡してみる
ネットアンケートでニーズを可視化
記者会見で話題沸騰
怒濤の営業とたらい回し
ついに小池都知事と会う
国土交通省のお墨付き
都バス5路線で双子ベビーカー解禁
PR動画作制、そして全線で解禁へ
ルールなんて、変えられる
エピローグ
選挙だけでは「足りない」
力を貸してほしい
付録
日本の政策起業家リスト
政策起業を学ぶ書籍リスト
謝辞

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

大先生

14
凄い!政治家を巻き込んでNPOの取り組みを国の政策にしてもらう。こんな方法があるんですね!正直、著者のキャラ(≒文体)は好きじゃありませんが、取り組みは素晴らしい。成果を上げた実例として、小規模保育園、保育士試験年2回、子ども宅食、保育士の賃上げ、ベビーカー畳まず乗車可等の事例が紹介されています。勿論、著者一人の力で実現したわけではありませんが、キーマンだったことは確かなようです。なんだか私も社会を変えられそうな気がしてきました(笑)2023/02/02

ヨムヒト

11
NPO法人フローレンス駒崎弘樹氏は、病児保育、小規模保育園、障害児保育、こども宅食等を手掛ける。法律でカバー出来ない公共の福祉をボトムアップで政治家、行政を巻き込みながら実現する政策起業家。例えば、小規模保育園をやりたい→行政に相談するが法律の枠組みが古く実効性が無い→国政政治家に相談する→法律が整備される→基礎自治体まで展開される→基礎自治体で展開されないならば→地方議員と相談する、そういう流れ。公益の為に政治家を巻き込むなら政策起業家、収益の為ならロビイストになるか。ボトムアップの公益拡充という感じ。2024/03/24

コーヒー牛乳

9
現状に疑問を持ち、状況を調査し、分析して問題の原因を特定し、行動し、やり抜く。随所にひらめきやフットワークの軽さが光り、感服する。自分が抱える困難さは社会が解決するべきものだとは、当事者からはなかなか思い至らないものなのだろうと思う。政策に限らず、前例にとらわれないで自分の周辺の状況を改革していく人材が増えれば、もっと生きやすい社会になる。そういう問題解決のできる人材の育成がまさに今教育が目指しているもの。そしてそんな次世代を育てるためには今の現役世代がマインドを変えていかないとと思った。2023/10/13

タカナとダイアローグ

8
政策起業家?状態から読んだ本。小規模認可保育所に助けられた身として、身近な存在だったフローレンス。20人未満の保育園は作れないという法律に、かつては合理性があったのかもしれないが、今はそれほどなく、ハードルのせいで待機児童は増えるばかり(都市部への集中、共働きの増加=社会参画の男女平等→しかし低賃金など、構造的問題あり)まず手掛かりとして、20人未満でも、保育所が成り立ち、助かり、保育士もやりがいのある職場を得られた。その次に、保育士の賃金上昇など、打つ手は多様。ケア階級の反逆=ブルシット・ジョブに通づる2022/06/21

ののの@彩ふ読書会

6
日本初の障害児専門保育園を作り、医療的ケア児支援法の成立に尽力された方。民の立場で社会のルールや制度を変えられるなんて思ってもみなかった。できるんだ、という発見は大きく、自分のこれからを改めて考えさせられた。2024/09/01

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