双葉文庫<br> ドライブインまほろば

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双葉文庫
ドライブインまほろば

  • 著者名:遠田潤子【著】
  • 価格 ¥825(本体¥750)
  • 双葉社(2022/01発売)
  • 夏休みの締めくくり!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~8/24)
  • ポイント 210pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784575525304

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内容説明

山深い秘境を走る旧道沿いにぽつんと佇む「ドライブインまほろば」。店主の比奈子が一人で切り盛りする寂れた食堂に、突然男の子が幼い妹を連れて現われた。憂と名乗る少年は「夏休みが終わるまでここに置いてください」と必死に懇願する。困惑する比奈子だが、事故で亡くした愛娘の記憶が甦り、逡巡しながらも二人を受け入れてしまう。その夜更け、比奈子は月明かりの下で激しく震え嗚咽する憂に気付いた。憂は、義父を殺し逃げてきたことを告白し――。「生きる意味」を問い、過酷な人生に光を灯す感動長編。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ろくせい@やまもとかねよし

209
鈍く痛みを感じ続けた物語。「憎い夫」「望まない出産」「私の気持ち」。実母が子どもを虐待する理由。利己でしかない内向きの心情。しかし、それは、声を上げさせる隙も与えない容赦も無く、徹底的に生きてることさえ忘れさせる絶望まで、子どもたちを追い込む。どうして人間の思考は、辛く悲しく寂しいことを他害だけで収めず、その被害を認知することまでして、自己を満足できるのだろうか。生きることは利己を守り育てることなのだろうか。そんな彼らに寄り添い、彼らの幸せを祈り、そして行動する利他も。そんな利他を発するも酷く傷ついた人。2022/03/28

のり

136
実父母と継父、なんて糞ったれな大人達なんだ。まだ幼い兄妹にとっては地獄そのものだ。「憂」と「来海」は逃げた先で初めて安らぎを手に入れる。「ドライブインまほろば」の店主「比奈子」も娘を亡くした傷心と母親との距離感に苦しむ。逃げた兄妹を追う者も多くを抱え苦しむ。罪と再生の間に揺れ動く者達。「十年池」での出来事が光射す未来を照らしてくれるだろう。2022/05/09

あすなろ

126
生まれ変われる十年池が酷道沿いのドライブインまほろばより更に上にある。各々の登場人物の産まれてから背負わされた重い十字架に耐え切れず、罪を実態若しくは夢の中でも犯し、辿り着きそれを眺める。正直、それで全ての罪や行いが浄化される訳がない。ないのだが、不思議と読者も各々の登場人物と共に浄化されていく様な、まるでそれはドライブインまほろばが霧に包まれた時に、前の道路を川の様に霧が流れ去るかの様な感に浸れるのである。僕が正にそれなのであった。2024/09/01

相田うえお

103
★★★★☆22011【ドライブインまほろば (遠田 潤子さん)】本作品も凄かった!父親をバットで殴り殺した小学生男子が妹を連れて失踪。辿り着いた先がドライブインまほろば。旧道沿いにあるまほろばは新道が出来てから客足が遠退き、店を開くほど赤字が増える有り様。店の女性店主は訳ありの子供達を警察に連絡することが出来ず、その話を聴いてあげます。さて...と始まります。十年に一度現れる幻の池というのが、単なる絶望から浄化,再出発に導く かなめ になってたのかな?遠田さん作品はほんと引き込まれます。素晴らしい!2022/01/25

Kazuko Ohta

85
この著者が紡ぐのはたいていは暗い物語で、めげそうになるぐらい重いときもあるけれど、最後に必ずひと筋の光が見えます。だから、著者が「救いはあろうがなかろうが気にならない」と言っていると知って驚きました。「救いがないならないできっちり書くべき」というのは確かにそう。安易なハッピーエンドに走らず、でも主人公たちのことを放り出したりはしないから、この人生に惹きつけられます。こんな子どもに「生きていてひとつもいいことなんかなかった」なんて言わせちゃいけない。生きるのに理由は要らないとしても、生きたいと思ってほしい。2025/02/25

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