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内容説明
東京都と台東区が共同で運営していた「自立支援センター」台東寮。金も職も住まいも失い、三食昼寝こづかい付きという夢のような好条件につられて飛び込んだホームレスの収容所は、魑魅魍魎の巣窟のような凄まじいところだった。
寮では8部屋に約60人が荷物のように詰め込まれ、1人分の専用スペースはたったの1畳というお粗末さ。おまけに食事もまずい。各部屋には牢名主のような存在がいて、その多くは暴力で支配している。せっかく三食と寝床にありつけたというのに、規律の厳しさから脱走する者が後を絶たない……
そんな「ホームレス収容所」で暮らす者たちの姿を通じて、現代日本の闇を覗き見るノンフィクションルポ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ma-bo
72
元原発労働者で、反原発の著書を出版したこともある著者。公務執行妨害罪等で留置所に入った事がきっかけで東京に。年齢の事もあり職にありつけない時に教えて貰った自立支援センターでの生活をまとめたもの。都と区が共同で6ヶ月の間にホームレスからの脱却を支援する施設。施設で出会った人との人間模様を綴る。読みやすい文章でした。23区を5ブロックに分け、5年毎に担当の区が変わり開設するとの事。2022/05/03
ぽてち
26
貧困を扱ったルポルタージュかと思いきや、潜入取材などではない実体験を基にした作品だった。著者の川上さんは元原発作業員で、何冊か原発批判の著書がある。言ってしまえば素人作家なのだが、読みやすい文章と確かな観察眼でホームレスの方々の姿を浮き彫りにする。本作で舞台となっているのは都と区が共同で運営する自立支援センターで、最長6ヶ月衣食住を提供しホームレスからの脱却を目指すというもの。建前ではそうなのだが、職員も入寮者も本気で取り組んでいるようには思えなかった。真剣な方も多いのかもしれないけれど。2022/03/18
宇宙猫
20
★★★★ ちょっとした切っ掛けで生活が成り立たなくなることや、そういう人を助けるために働く人達のことが、体験を通してリアルに伝わってくる。こういう状況では、援助する人もされる人も人間性が大きくでてしまい、軋轢も大きくなりがち。規則が厳しいのはそういう事情もあるんだろうけど、なかなか息苦しい。2023/04/26
ゴロチビ
4
たまたま浮浪者収容所というワードをネットで検索していて目に留まる。表紙のイラストから漫画かと思ったら普通のルポルタージュだった。著者は団塊世代の七十代。にしては健康で精神も若々しい印象だ。しかし、若者に対する見方や生活保護に対する考え方等に世代を感じた。保護を食い物にする輩を見ていればそんな感覚になるのかもしれない。原発関連の著作もあるらしいので、当初から本を書く為に潜入したのでは?と勘ぐったりしたがあとがきには職員に勧められたからとあった。読後は吾妻ひでおの失踪日記を思い出した…ということは名作なのか?2023/05/23
鈴川愛夏
3
●ホームレス収容所で暮らしてみた/川上武志 #読了 まさかのルポではない本気の収容所暮らしに驚いた。 2024/08/28
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