頭 手 心

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頭 手 心

  • 著者名:デイヴィッド・グッドハート
  • 価格 ¥3,080(本体¥2,800)
  • 実業之日本社(2022/01発売)
  • 2025→2026年!Kinoppy電子書籍・電子洋書全点ポイント30倍キャンペーン(~1/1)
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  • ISBN:9784408339771

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内容説明

「手」(肉体労働や手仕事)と「心」(ケア労働)が、「頭」(認知能力を生かした仕事)にこの数十年間奪われてきた名声と恩恵を取り戻す方法はある。

フィナンシャル・タイムズ/テレグラフ
2020 Best book of the year 選出

第一部 今の社会が抱える問題
第一章 頭脳重視の絶頂期
    〈どこでもいい派(Anywheres)〉と〈ここしかない派(Somewheres)〉  
    あらゆる場所が自分本来の居場所  
    頭脳重視絶頂期の終焉  

第二章 認知階層の台頭
    脱工業化社会への幻滅
    専門的職業と大学

第三章 認知能力と実力主義社会の謎
    知能は測定できるか
    生まれつきのものか、教育の成果か
    欠陥だらけの能力主義社会
    無知を覆い隠す認知能力のヴェール

第二部 認知能力による支配
第四章 学ぶ者を選抜する時代
    大学か、破綻か
    中堅の不在
    アメリカ、フランス、ドイツ
    過剰な売り込み?
    親元を離れ、中産階級の仲間入りをする

第五章 知識労働者の台頭
    自分の頭で考える許可
    長い物には巻かれよ

第六章 学位がものを言う民主主義社会
    技術官僚(テクノクラート)支配による非政治化
    ことばづかい、価値観、デザイン

第三部 手と心
第七章 「手」に何が起こったのか
    熟練を要する仕事の衰退
    地位を測る

第八章 「心」に何が起こったのか
    私的領域と意味の危機
    人の世話と女性
    世話をする仕事の将来
    男性ならどうだろう?
    人の世話も算入する

第四部 未来
第九章 知識労働者の失墜
    トップにあまり空席がない
    ロボット時代の資本主義

第十章 認知能力の多様性とすべての未来
    バランスの改善
    勇敢に行く

◆ ◆ ◆

「社会システムが崩壊し、集団としての犠牲行為や団結を呼びかける術(すべ)もなく、パンデミックへの対処もままならない――なぜ私たちがこうなってしまったのかを示してくれる貴重なロードマップが本書である。かいつまんで言うなら……富の不平等が広がるとともに、尊厳や、価値、生きがい、帰属意識といった感情の隔たりも広がったと著者は考えている」
          アリアナ・ハフィントン(ハフィントンポスト創設者)

「デイヴィッド・グッドハートほど、イギリス・アメリカ社会について、さらには両国のエリートが大半の市民の価値観、ニーズ、有用性をひどく誤解している理由について深く分析できる者はそうはいない。公明正大で、慈悲深く、より多くの人々に尊厳、繁栄、幸福を手にする可能性を与えてくれる社会――そうした社会の実現を願う人は、本書が気に入るはずだ」
          ジョナサン・ハイト(バージニア大学心理学部教授)

「知恵と美徳を称え、読む人の気持ちを高揚させる一冊。まさに私たちが必要としているときに現れた、希望に満ちた本」
      ポール・コリアー(オックスフォード大学アフリカ経済研究センター所長)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

田氏

20
「頭」:認知的能力、「手」:技術的能力、「心」:社会的能力というようにパラメータを設けてみると、いかにここ数十年で「頭」への偏重が進んだか、今後をどのように展望するかといった議論。ファクトを並べつつも肝心のところをエピソード共感で押し切る論述の進め方に強引さは感じてしまうけれど、コロナがメリトクラシーがと喧しい昨今において、興味深い切り口ではある。何か物足りなさを感じたのは、「頭」偏重へむかう原動力はわれわれ自身の「選好」ではないか、そこにもっと切り込んでもいいのでは…という思いが自分にあるからだと思う。2022/06/16

さとう

3
"過去30年間のいちばんの勝者は女性大卒者であり、いちばんの敗者は男性の熟練肉体労働者だ。こうした勝ち負けは知識経済の台頭とともに起こった" "現在の教育制度・訓練システムや若い人々への優遇措置を考えると、個人レベルの経済的視点から見る限り、大学進学は理にかなっている。だが、社会にとっても利にかなっているかと言うと、そうではない。高等教育が多くの人に労働市場への参入準備をさせる、いちばん費用効果の高い方法なのかどうかを、社会は考えなくてはならない"2023/03/28

にわ

2
今の社会に漂う矛盾と無力感の原因を鋭く指摘している。15年程前の私の学生時代に比べて、社会が寛容な方向へ進んだような気がする現代の方が、より学歴至上主義は苛烈になり、親の資金力が露骨に学歴へ影響する世の中になっている。その結果、エッセンシャルワーカーや職能技術を持つ人たちの立場は、相対的により低くなり、一部の高学歴を得ることができた人が、多くの富を我が物顔で手にする。真に社会の役に立っているのかわからない仕事、むしろ悪い方向に導いているかもしれない仕事に就いているにも関わらず。2023/02/08

seura

1
ハードカバー親指2本分/2022/11/06

Sosseki

1
知能は成功や公平さを保証するものではないが、頭を使う職や人が、余りに他の手や心を使う職より報酬や敬意を受けることに対する警鐘。格差が開き、社会不安定化を招き、何より必要不可欠な仕事をしていて、まともに生活できないのは、おかしい。今後は、AI等で、ますます頭の職が減り、機械ができない技能を使った手の職が必要となり、高齢化で心をの職が不足する。女性の家事、育児、介護ももっと正当に評価を。2022/05/07

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