講談社現代新書<br> 性(セックス)と宗教

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講談社現代新書
性(セックス)と宗教

  • 著者名:島田裕巳【著】
  • 価格 ¥913(本体¥830)
  • 講談社(2022/01発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784065268476

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内容説明

■性をめぐる宗教界のスキャンダルとは

■なぜ浄土真宗だけが僧侶の結婚を許されていたのか

■親鸞は本当に「愛欲の海」に沈んだのか

■カトリック教会が頑なに独身制を維持する理由とは

■イエスに邪な気持ちはあったのか

■なぜイスラム教は性を禁忌としないのか

■罪となる性行為の中身とは

■密教にも存在する性の思想とは

キリスト教・仏教・イスラム教……
人間の性の欲望と戒律をめぐる
すべての謎を解き明かし、
宗教の本質に迫る!

・・

性ということと宗教とはどのように関係するのか。

それがこの本のテーマです。この場合の性とは、
文化的、社会的に作り上げられた性差としてのジェンダーを意味しません。
行為を伴ったセックスとしての性です。

この本は小著ではあるものの、世界の主要な宗教における
性の扱い方を対象とすることによって、
「性の宗教史」としての性格を持っていると言えるかもしれません。
それは、これまでになかったアプローチの仕方ではないでしょうか。

篤い信仰を持っている人たちは自らの宗教を神聖視し、
欲望とは切り離された清浄なものと見なそうとします。
それは信仰者の願望ということになりますが、
そこで性の問題を無視してしまえば、人間の本質にはたどりつけません。

人間は、自らが抱えた性の欲望に立ち向かうことで、
宗教という文化を築き上げてきたのではないでしょうか。

性を無視して、宗教を語ることはできないのです。

・・

本書のおもな内容

第1章 なぜ人間は宗教に目覚めるのか
ーーーー信仰の背景にある第2次性徴と回心の関係性
第2章 イエスに邪な気持ちはあったのか
ーーーーキリスト教が「原罪」と「贖罪」を強調した理由
第3章 なぜ聖職者は妻帯できないのか
ーーーー仏教とキリスト教の違い 女犯とニコライズム
第4章 戒律を守るべき根拠は何か
ーーーー邪淫が戒められる理由
第5章 なぜ悟りの境地がエクスタシーなのか
ーーーー房中術と密教に見る性の技法
第6章 なぜイスラム教は性を禁忌としないのか
――――預言者の言葉から読み解くその実態
第7章 親鸞は本当に「愛欲の海」に沈んだのか
ーーーー浄土真宗だけが妻帯を許された理由
第8章 神道に性のタブーはないのか
ーーーー日本独特の道徳観と系譜
第9章 なぜ処女は神聖視されるのか
ーーーーマリアとスンナに見るその意味

目次

第1章 なぜ人間は宗教に目覚めるのか
ーーーー信仰の背景にある第2次性徴と回心の関係性
第2章 イエスに邪な気持ちはあったのか
ーーーーキリスト教が「原罪」と「贖罪」を強調した理由
第3章 なぜ聖職者は妻帯できないのか
ーーーー仏教とキリスト教の違い 女犯とニコライズム
第4章 戒律を守るべき根拠は何か
ーーーー邪淫が戒められる理由
第5章 なぜ悟りの境地がエクスタシーなのか
ーーーー房中術と密教に見る性の技法
第6章 なぜイスラム教は性を禁忌としないのか
――――預言者の言葉から読み解くその実態
第7章 親鸞は本当に「愛欲の海」に沈んだのか
ーーーー浄土真宗だけが妻帯を許された理由
第8章 神道に性のタブーはないのか
ーーーー日本独特の道徳観と系譜
第9章 なぜ処女は神聖視されるのか
ーーーーマリアとスンナに見るその意味

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

パトラッシュ

116
宗教は禁欲を旨としているからこそ、カトリック教会のように宗門内で性的スキャンダルが起こるのだと思っていた。しかしキリスト教と仏教では教義が発展する過程で聖職者の独身制が広まったからこそ宗教が権力集団化し、一方で性をタブー視しないイスラムは専門の聖職者階級が形成されなかった。つまり性に対する考えが世界の歴史を左右し、ナショナリズムや原理主義思想の母体となったのは宗教と政治の関係を考える上で重要な要素だ。人を救いたいとの願いから創造された宗教だが、最も敏感な問題である性への対応を巡り教えが歪んでしまったのか。2022/02/15

海月

78
一言で言うとくっそ難しかったです。自分的には宗教自体があまり興味ないくせに新刊ということで勉強がてら読んでみたらまぁ難しい。キリスト、イスラムまでは分かる。ユダヤ教ってなんだ?とか疑問がたくさんあっけどもこの本がなんとなくではあるけど解説してくれた(笑)それはさておき宗教と性ということでこんなにも宗教上の都合で性交などの行為が規制されてたのなんて知らなかったけども法律のない当時からすると宗教が全ての観点からいくと妙に納得した。もう少し宗教の勉強しないとダメだと感じました(笑)2022/05/25

へくとぱすかる

70
日本で教義にもとづく宗教といえば、仏教とキリスト教が思い浮かぶので、宗教は行為をともなう性を、避けるべきものと考えるものだとの思い込みがあるようだ。キリスト教であれば、その起源を原罪という考えに求められるという。しかし、たとえばユダヤ教やイスラム教にはそんな思考はないと聞いて驚いた。いかに自分が本当にはこれらの宗教を知らないかが、露呈してしまった気がする。生き物としての人間は生殖行為なしには滅びてしまうのだから、性と宗教の教えとの兼ね合いは、つねに時代とともに変化してきた。今後の宗教と性の動向は果たして?2022/02/16

樋口佳之

52
んー。新書の分量で様々な宗教と性の関わりを語ることは難しかったのでは。キリスト教ならキリスト教、仏教なら仏教だけで十分一冊になるお話なのではと思いました。大急ぎの講演会を聞いた時の気分に近いです。2022/10/10

spatz

14
見出しだけをみても大変興味深いテーマばかり。 しかし考えてみると、なぜ、これまでこのテーマを扱い、掘り下げ、議論される場が、少なくとも私たち皆によく見える形で提示されてこなかったのだろう?宗教・性(行為を伴う行動としての性)、は特に日本ではどちらもタブー視されるもの、人の口の端に大っぴらにのぼるものではなかった、からではなかろうか。 たくさんの文献にあたり、三代宗教を中心としてさぐる。 テーマが広大なので、これからのより深い研究に期待される。#NetGalleyJP 2023/05/24

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