内容説明
永尾賢治は新米記者の1年目に、野球賭博で“世紀のスクープ”を放ち将来を嘱望されたが、その後は「一発屋」と笑われる日々を送る。そんな時、自分の記事がきっかけで永久追放された伝説のエースと再会。彼は殺人事件の被告として法廷に立っていた……。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
85
私にとって堂場さんの新聞記者関連の話は2作目です。17年前のスクープ記事以降はあまりぱっとしない記者とそのスクープ記事がもとで球界から永久追放された新人投手だった人物が殺人容疑で捕まってしまいます。そこで取材を行い不思議なつながりでからんだ糸をほぐしていくような話でした。2022/01/17
Walhalla
33
野球×ミステリーの作品でした。堂場瞬一さんの作品は、野球に限らず、スポーツが関係する物語は本格的で面白いです。今回の作品では、賭博に始まり、野球界の裏側のマイナス要素がいくつか描かれていますが、「必要があったから書いた」と言う強い信念を持った主人公の新聞記者は、著者の作品を象徴するような存在ですよね。どこか堂々とした雰囲気のある、濃厚な物語でした。2022/09/05
パカゲニー
5
堂場瞬一さんの2019年作品。中堅記者の長尾は裁判所でかつて自分がスクープを抜き新聞協会賞を取った野球賭博事件。そのため永久追放された幻のエースが起こした殺人事件に疑問を感じ調査を始める。その調査課程を楽しみ、人とのつながり人生にとってピークとは何かを考えさせられました。チャプリンの有名な逸話あなたにとってベスト作品と問われた時の答、次回作を思い出しました。やはり人生半ばで過去を余りに振り返らず未来に期待したい。2023/11/28
hiyu
5
ピークというタイトルに納得した。した者とされた者、立場は違ってもその後の心の在り方には共通部分があった。その点は理解できたのだが、永尾の淡々ともとれる感情をどう理解すれば良いのかには少々悩んだ。もう少し焦燥感が出ても良いかなとも感じたため。2022/04/16
minu tanu
5
単行本の文庫化。竹藤が何故殺人事件を起こしたのかを、過去の野球賭博と絡めて丹念に取材していく過程が面白かったです。2022/01/10