フーディー - グルメフードスケープにおける民主主義と卓越化

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フーディー - グルメフードスケープにおける民主主義と卓越化

  • 著者名:ジョゼ・ジョンストン/シャイヨン・バウマン
  • 価格 ¥4,400(本体¥4,000)
  • 青弓社(2022/01発売)
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  • ISBN:9784787234735

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内容説明

食を自分のアイデンティティやライフスタイルとして捉える人々=フーディー。その言葉や存在は、TBSドラマ『グランメゾン東京』や三越伊勢丹運営の食メディア「FOODIE」、雑誌の特集で、日本でも知られるようになった。

高級店を訪れる一方、オーガニック食品やローカルフード、「手作り」にも引かれ、郷土料理やエスニック料理も味わう。「良い食べ物」を食べて学ぶことに強い関心をもつ彼/彼女たちの実態とは、いったいどのようなものか。

現代アメリカのフーディーの生活世界、セレブシェフへの熱狂、レストラン批評やフードブログの隆盛に、雑誌記事やテレビ番組、フーディー当事者へのインタビューから多角的に迫る。そして、「食の民主化」と「エキゾチシズム・真正性への希求」という食文化の両義性と、両者の緊張関係を析出する。

フーディーをめぐる食文化から階級や人種、ジェンダーの問題系を浮き彫りにして、そこに潜む社会的な不平等や雑食的な文化資本、卓越化の戦略を明らかにする「食の社会学」。

目次

第二版序文 ジョゼ・ジョンストン/シャイヨン・バウマン

第二版叢書序言 叢書編集者シャロン・ズーキン

謝辞 ジョゼ・ジョンストン/シャイヨン・バウマン

序 論 フーディーのおいしい世界に足を踏み入れる
 1 フランス料理の没落――料理の脱聖別化に関する歴史的展望
 2 現代のグルメフードスケープ――フーディーと不平等
 3 グルメフードスケープの主な特徴――嗜好とトレンド
 4 各章の概要

第1章 フーディー・オムニボア・言説
 1 食と嗜好の研究への招待
 2 言説・民主主義・卓越化
 3 「フーディー」とは何か?

第2章 真正性を食べる
 1 真正性を取り出す
 2 真正な食べ物の諸次元
 3 真正性の文化政治

第3章 料理上の他者――エキゾチシズムの探求
 1 料理植民地主義?
 2 料理コスモポリタニズム?
 3 エキゾチシズムの操作化

第4章 フーディーをめぐる政治――これはおいしい革命だ!
 1 政治的食事――歴史的展望
 2 フーディーをめぐる政治で競合するイデオロギー
 3 フーディーをめぐる政治の言説
 4 フーディーは語る――喜びと政治の均衡を保つ
 5 結論

第5章 階級と階級の不在
 1 グルメフード記事のフレーム――不平等の隠蔽
 2 階級不在を維持する三つのフレーム
 3 オムニボアとしてのフーディー――俗物性の拒否と地位の交渉
 4 階級と地位に関する結論――最小化されているが、やはり関連している

第6章 食に心を配る――フーディーのキッチンに見るジェンダー実践 ケイト・ケアンズ/ジョゼ・ジョンストン/シャイヨン・バウマン
 1 ジェンダー化されたフーディーへの招待
 2 ジェンダー・食・アイデンティティ
 3 フーディー文化に見るジェンダー実践
 4 喜び
 5 ケアワーク
 6 知識と熟練の技
 7 結論――フーディーはどのようにジェンダーを実践しているのか

結 論 フーディーの連続性・変化・道徳的両義性

補遺A インタビューデータ――方法論と質問

補遺B インタビュイーの基本属性

補遺C 言説分析――方法と結果

参考文献

監訳者あとがき 村井重樹

事項索引

人名索引

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

くさてる

13
食を自分のアイデンティティやライフスタイルとしてとらえる人々=フーディ。アメリカにおける彼らの生活をリアルに調査することで、食文化に潜む階級やジェンダー差別、社会的不平等、文化の歪みといったところを研究した社会学の本。正直、難解な部分もありしっかり読めたかどうかは自信はないのだけど、食が単なる栄養補給でなく、自分の個性や承認欲求を満たす道具として扱われている現状とそこにひそむ問題点は日本もアメリカも似ていると思った。興味深かったです。2025/05/07

人生ゴルディアス

6
大変面白かった。ファーマーズマーケットだとか、外見は小汚いけど地元に根差した美味い飯屋(発展途上国だとなおよろしい)を探すのに熱を上げる食に関する意識の高い連中を分析している。事例は、あるある、と笑えて説得力がすごい。彼らは民主主義的価値観から、超高級料理など他者の排除があからさまな文化には眉をひそめる。でも周囲の馬鹿舌と一緒にされたくないので、代わりに一見安価な食のこだわり(私はハンバーガーに目が無くてね…)で他者に優越をしめそうとする。しかしそのこだわりにも実は文化資本が必要で……というもの。2020/08/24

あたおろち

1
生きるために食べるのではなく食べるために生きている。民主主義(ほかの食愛好家と連帯すること)と卓越化(ほかの食べてから自分自身を切り離し区別すること2023/03/04

Go Extreme

0
手頃なぜいたく・不平等の複雑さ 食の民主化を導く潜勢力と社会的ヒエラルキーを再生産し自然化する食の役割 民主主義を促進・卓越化を当然のものにする役割 高い価と安価・ファストとスロー フーディー現象:文化的基盤と政治的含意 嗜好と社会階級との結び付き 象徴的境界と地位の卓越化を確立する際に食が継続して果たしている役割 フーディー文化を食の実践の政治的次元を探究するためのレンズとして使用 真正性とエキゾチシズム 男性フーディーと女性フーディー 文化的消費者・オムニボアライフスタイル グルメフードスケープ 2020/10/02

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