海外文学セレクション<br> 読書セラピスト

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海外文学セレクション
読書セラピスト

  • ISBN:9784488016791

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内容説明

悩める人々に読むべき本を処方する、読書セラピーを始めたヴィンチェ。ある日、彼のスタジオの階下に住む婦人が失踪、状況証拠から夫が殺人の容疑をかけられる。読書家の彼女が残した本のリストからヴィンチェは真相を探る……。彼女はどこに消えたのか? 本当に夫に殺されたのか? 「失踪」「別の人生」「入れ替わり」といったテーマの読書歴のある彼女の真実は? シニカルで文学的で不思議な味わいのビブリオ・ミステリ。本書は、イタリアのミステリの賞・シェルバネンコ賞を受賞している。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

キムチ27

76
装丁の男性は細身イケメン・・しかし、作中何カ所かで「ド・パルデュー似」と。推した流れと全く違う筋が意表をついた。セラピースタジオを開いたコルソの最初の客 パロディー夫人(名前でくすり)二人のやり取りはそこいらの会話と大きく異なるハイソレベルの教養全開。その後、彼女が失踪・・2週間余りの時間は種々の顧客との濃い事例紹介が綴られる。結果 川に白い裸体で死体となって発見された夫人。サスペンスではなく、途中経過がすっ飛んで 本筋は読書セラピーなるお仕事小説みたい。筆者はローマ大学司書のスタッシ氏。さすが溢れる教養2022/11/02

ネギっ子gen

54
ビブリオ・ミステリ。読書を活用した、人生再生カウンセリング。最初の相談者は、髪型に苦しみ「居場所がない」感覚と。読書だけが救いの若い女性は訴える。「どんな髪型にしても髪が断固として反抗し、ある日は縮れ毛、ある日はストレート、きまって自分の願いと正反対になるのがどうしても説明がつかない。髪のせいで、どれだけ母とけんかしたことか」と。治療本は、ヘミングウェイ『移動祝祭日』。その反応は、「わたしになにを薦めるのよ! 自殺者の遺作ですって」と――。わたしなら、『かみはこんなに くちゃくちゃだけど』辺りかなぁー。⇒2022/11/25

星落秋風五丈原

34
読書セラピストと言われても結局読書って孤独な作業だからなぁ。アドバイザーみたいな感じ?2022/03/09

kameyomi

27
読書セラピスト。素敵な響きだ。 生活のために読書セラピーを始めたばかりの主人公ヴィンチェが、階下に住んでいた婦人の失踪事件を、彼女の残した読書の記録から解決しようとする。 この物語を充分に楽しむためには、せめて著者の半分位の、それでも膨大な読書量が必要かと思う。 それでも、数々の悩みに対して真面目に文学で立ち向かおうとしながらも、中々上手くいかないヴィンチェのセラピーを受けてみたい気持ちになった。2022/09/25

M H

26
読書セラピーってこんなにペラペラしゃべってはい処方って無神経なの?話は外れるが、選書サービスを利用したときに、書店員さんがこちらで作成したカルテに添いつつ興味を広げるような本を送ってくれて嬉しかった思い出がある。主人公のヴィンチェからはそんなプロ意識が感じられないし、自身のセラピーに依頼人を無意識に利用しているのでは?どうにも後味悪し。失踪した女性の顛末も微妙。選書のラインナップ自体は興味深いし、期待していたんだけど。2022/07/31

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