内容説明
「お前はクビだ。出ていけ夜住彩!」
突然の追放。ゲーム開発会社の新人デザイナー彩は、仕事の遅い残業代泥棒と上司に難癖をつけられ、自主退職を促す『追い出し部屋』へと異動させられる。途方に暮れる彩だったが、誰かを元気づける作品作りが彼女の夢。同期の真宵学と意気投合し、新しいゲーム企画を作ることに! その企画で、自分を追い出した元上司の企画と予算を競うことになり――?
そう、無能上司は理解していなかった。彼女こそデスマーチを一人で支えた神絵師だということに。夜住彩の快進撃はここから始まる!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
28
上司に難癖をつけられ、自主退職を促す『追い出し部屋』へと異動させられたゲーム開発会社の新人デザイナー・彩。同期の真宵学と意気投合し、密かに新しいゲーム企画を作る逆襲の物語。実はデスマーチを一人で支えていた神絵師の理不尽な追放。自分を追い出した元上司の企画と予算を競うことになり、現場を知らない狡猾な相手に振り回されながらも、集めた仲間たちと共に見事なリベンジを果たす分かりやすい展開でしたけど、現代のゲームを作る難しさを垣間見るとともに、あくまで面白いゲームを作ろうとする主人公たちの姿勢が印象的な物語でした。2022/02/08
スプリント
7
よくある展開ですが読み手を気持ちよくさせる工夫が随所に見られて楽しめました。2024/12/31
菊地
5
「正しく評価されてなかった志を持つ主人公達」が「残業時間やコスト管理などでしか労務管理できない理念なき上層部」相手にザマァするという、ありがちといえばありがちな筋書き。 ありがちではあるものの、主人公サイドの「良いゲームを作ろう」という姿勢は気持ち良い。主人公がペンネームを伏せている理由は釈然としなかったけどね。 ただ、「ザマァ」対象として描写されている上司サイドはあまりに類型的過ぎたことは否めない。2022/03/08
さとうはるみ
4
期待していなかったのに凄まじい名著だった。ライトノベルとビジネス書と自己啓発本は同じものなのだと思った。鬼頭という人物の狡猾さ・悪賢さ・弱みにつけこむ容赦のなさ・的確に脅して動けなくする様は凄まじく、これはカンタンにやられてしまうなと思った。こういうところを防御するために学ぶのは必要だなと。鬼頭という人物の部下への接し方は恐らくそのまま自分自身への接し方なんだろうなと思った。この点は本当に脳は人称を区別できないなと思った。与脇という社長は最後に自分の後始末をするということを決めた。素晴らしい。美しい。2022/10/20