山と溪谷社<br> ヤマケイ文庫 きのこの自然誌

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山と溪谷社
ヤマケイ文庫 きのこの自然誌

  • 著者名:小川真
  • 価格 ¥1,188(本体¥1,080)
  • 山と溪谷社(2022/01発売)
  • ポイント 10pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784635049351

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内容説明

「世界中の誰よりもきのこに詳しかった"伝説のきのこ博士”の名著」藤井一至氏(土の研究者)推薦!
「地上に平和をもたらしたのは、きのこだったのだ」小倉ヒラク氏(発酵デザイナー)推薦!

ひそやかに光るきのこ、きのこ毒殺人事件、ナメクジは胞子の運び屋…
きのこ学の第一人者による魅惑のきのこエッセイ。

つくばの研究所に向かって下駄をはいて自転車をこぐ白髪頭の姿が度々目撃され、世界中の誰よりもきのこに詳しかった。
筆力の高さに定評があり、ときには筆をとってニコニコときのこの絵を描いていた。
2021年に亡くなった、知る人ぞ知るきのこ界のスーパースターの著書をはじめて文庫化。


■内容
新装版によせて

1きのこの形、きのこの成長 
雷の落とし子/天地無用/ユダの耳/きのこに根はあるか/異常気象とショウゲンジ/マツタケ前線は南下する

2毒きのこ、薬になるきのこ 
ひそやかな光/笑うきのこ/きのこ殺人事件/聖なるきのこ/ものは使いよう/ありがたいきのこ 

3胞子の世界 
産めよふやせよ/ひと夜の命/くさい奴/運び屋のナメクジ/お腹を空かしたチップモンク/ブタの好物 

4菌糸・菌根のこと 
城をきずく/山が吹く角笛/生きている化石/靴のひも/ぶくりょうつき 

5きのこの栄養のとり方 
シメジあれこれ/ランに食われる/落葉を食べる/由緒正しいヒラタケ/居候/きのこ糞尿譚 

6きのこの分布・きのこの生態
きのこ狩り/コスモポリタン/追われるハツタケ/ヒョウタンから駒/クリのポックリ病

おわりに―きのこと菌類学

解説 藤井一至


■著者について
小川 真(おがわ・まこと)
1937年、京都生まれ。
1962年に京都大学農学部農林生物学科を卒業、1967年に同大学院博士課程を修了。
1968年、農林水産省林業試験場土壌微生物研究室に勤務、
森林総合研究所土壌微生物研究室長・きのこ科長、関西総合テクノス、
生物環境研究所所長、大阪工業大学客員教授を歴任。農学博士。
「森林のノーベル賞」と呼ばれる国際林業研究機関連合ユフロ学術賞のほか、
日本林学賞、日経地球環境技術賞、愛・地球賞、日本菌学会教育文化賞受賞。
2021年、没。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

帽子を編みます

66
きのこのあれこれが書かれています。一般にイメージされるきのこ(地上にある傘と軸のあるあれです)、だけでなく地面の下の菌根を採取して培養していく話、研究者ならではだと思います。著者自身のスケッチ、記録写真などが入ってわかりやすくキノコ学に親しめます。著者は巻頭の新装版によせてで、きのこの現状についての不安、警告を述べていますが、それからさらに四半世紀たちました。自然のきのこたちもさらに変化していそうです。きのこと樹木の共生関係、きのこと動物との係わり、大きな循環に思いをはせます。ああ、きのこよ!2022/04/15

とんかつラバー

14
年配の人は「昔はマツタケなんか珍しくなかった」と口をそろえて言う。松林が減ったのもあるが、ガスや電気で炭を使用しなくなったのも要因だ。人間の生活様式の変化も大きな影響を与えている。菌類は食べ物としてだけでなく、分解者として重要な存在である。木だけ植えても育たない(日光や肥料はあるのに)菌類は植物と不思議な共生関係にあって、植物の成長には菌類が必要。お互いなくてはならない関係で、後から出てきた人類なんかががその仲に割って入ろうというのもおこがましいのだ。2023/05/16

朝ですよね

6
キノコ博士のエッセイ集。きのこは目に見える数少ない微生物の一つ。ハエやリスに運ばれて胞子が広がるというのは植物のようだが、菌根菌として植物と共生したり有機物を分解する姿は紛れもなく菌である。マツタケはマツの根と共に円形のシロを作って広がり、どちらかと言えば痩せた土を好む。肥沃な土地だと他の微生物に駆逐されてしまう。著者ですらトリュフ料理は2度しか食べたことがないらしい。生き物の本質的な理解は徹底した自然の観察で得られるものであり、高級食材として持て囃すようなこととは違うのだなと感じた。2022/04/20

ミルフィーユ

4
きのこが何か神秘的な生物に思えてきて、きのこをみる目が変わる。2022/06/13

圓子

3
森のネットワークやきのこの本体の壮大さは様々な媒体で何度でも読みたい。何度読んでもわくわくする。執筆当時には分からなかったいくつかがその後わかったという、解説での補足もまた清々しい。山や森や海をイメージされる姿のまま保つ仕組みが整備されていればねえ。そういうとこには、ずっと前から国は関心を持たないのだねえ。2024/03/24

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