内容説明
犬や馬をパートナーとする動物性愛者「ズー」。大型犬を「僕の妻だよ」と紹介する男性。七匹のねずみと「群れ」となって生活する男性。馬に恋する男性。彼らはときに動物とセックスし、深い愛情を持って生活する。過去に十年間にわたってパートナーから身体的、肉体的DVを受け続けた経験を持つ著者は、愛と性を捉えなおしたいという強い動機から、大学院で動物性愛を研究対象に選び、さらにズーたちと寝食をともにしながら、人間にとって愛とは何か、暴力とは何か考察を重ね、人間の深淵に迫る。性にタブーはあるのか? 第17回開高健ノンフィクション賞受賞作。
目次
プロローグ
第一章 人間と動物のアンモラル
第二章 ズーたちの日々
第三章 動物からの誘い
第四章 禁じられた欲望
第五章 わかち合われる秘密
第六章 ロマンティックなズーたち
エピローグ
あとがき
文庫版あとがき
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
コットン
78
愛やセックスを考える対象としての『動物愛』を持った人達をズーというらしい。過去に男性の性暴力を含む身体的・精神的暴力を振る舞われた筆者だからこそのノンフィクション。ズーの一人の意見として「ズーの話はセックスの話だと、みんな考える。けれども、本当はそうじゃない。動物や世界との関係性の問題なんだ」と言っていてこの本を読むと少し分かる気がする。2024/02/05
まるほ
43
“愛”や“性”を根源的に考え直すきっかけとなるであろう衝撃的な一冊。▼『正欲』(朝井リョウ)を読んだ際にも衝撃を受けたが、あくまでもフィクション。こちらは“動物性愛者”(ズーフィリア)というマイノリティーを正面から扱ったノンフィクション。▼著者は性的虐待からのサバイバー。自らの体験を踏まえ、性を考えるなかで、この分野の研究にたどりついた、とのこと。大学院での修士論文がベースなのでいたずらに煽情的なものではなく、学術的な体裁であるが読みやすい。▼一度読んだだけでは受け止めきれない。折りをみて再読したい。2023/08/31
がみ
32
DVにより心的外傷を負った筆者は「愛とセックス」に対する疑問を胸に京都大学院でセクシュアリティ研究の世界に足を踏み入れ、動物性愛者(ズーファイル)の存在を知る。ドイツにある世界唯一の動物性愛者による団体ZETAのメンバーとコンタクトを取り、彼らの家で一緒に生活をしながらズーの思考、愛、そしてセックス観への理解を深めていく。ノンフィクションで一見ルポのようでありながらも、登場人物の所作や振る舞いの表現、ドイツという国の歴史や文化に対する省察は小説家のそれであり飽くことなく一気に読みすすめられた。クヌーデル…2022/01/09
pirokichi
27
大げさでなく、「本とはぼくらの内の氷結した海を砕く斧でなければならない」(カフカ)というくらい衝撃をうけた。刺激の強い題材だが、愛、性愛、暴力、友情等々さまざまなことを考えさせられ、心は時に驚愕しざわつきながらも、著者のお人柄か読後感はよかった。「共感する対象に優劣をつけないことが、今度は逆に、人間への共感性への低さだと捉えられかねないこと。それは反転させてみれば、人間は共感すべき対象を無意識にあらかじめ選択しているのかもしれない」共感の排他性。朝井リョウさんの『正欲』をちょっと思い出した。2021/12/02
マッピー
25
合意を得ることのできない動物に一方的に自分の性癖を押し付け、痛みや苦痛をを与え身体を損なうような行為を強要してまで、自己の快楽を優先するという心理がゆるせないと思っていた。ところがこの本を読んで、それは全くの思い込みであったことがわかる。性行為を伴わない「ズー」の人も最近は増えているようなので、「動物性愛者」という呼び方は、もっと現実に即したものにした方がいいような気はする。私には理解のできない性的志向ではあるけれど、それはそれで尊重はする。そこまでしか、今の私には言えないなあ。でも、読んでよかった。2025/06/27
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