内容説明
シーラ・A・エゴフ児童文学賞受賞!
女性の権利の視点から中絶を考えるティーンエイジャー向けの性教育と人権の本。
もっと安全な中絶を! 私のからだは私が決める!
世界中で毎年何万人もの女性たちが危険な中絶のために命を落としています。
中絶の歴史と今がわかる女性たちの戦い。
カラフルな写真やイラスト、引用文、マンガでわかる安全な中絶について知っておくべきことがたくさんつまっています。
あらゆるジェンダーの10代から読むことができる新しい性教育と人権の本。
読み終わった時にはエンパワーされた気分になること間違いなし!
リプロダクティブ・ライツについて学ぶ教科書として、子どもから大人までの必読書。日本の現状もあらたに加筆してお届けします。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たまきら
35
日本人女性が14歳で妊娠したら、多くの場合中絶を選ぶと思うとアメリカで話したら、周囲がのけぞったのを覚えています。…まあ理科の教科書に「進化論は一説に過ぎない」というただし書きがあったり、「進化論が提唱されるまでは長く天地創造が信じられていた」とか書いてある国だしなあ。地域によっては中絶は女性が大変な苦労をして勝ち取った権利なのだ、ということが理解できる内容です。「私の子宮は政府の所有物じゃない」というカードを下腹部に下げた女性の写真が心に残りました。2023/05/01
なま
12
★4 世界中で続く中絶権をめぐる闘い。中絶がタブー視されている現状の中で中絶について話すきっかけや中絶の権利を知る事ができる。アメリカの中絶の歴史を中心に語られるため日本では丸ごと受入られる表現ばかりでは無いが日本で中絶手術となると今だ古い手法が推奨され改善されていない。他国と日本の中絶に対する法律や対処を知り比較することで何が問題か?を理解する。また障碍者の権利と中絶、ジェンダーの中絶等様々な視点で語られる。本書はシーラ・A・エゴフ賞や青少年や子ども向け推薦図書等の受賞作。2022/07/28
たろーたん
4
「先進国なら中絶の権利って普通じゃない?」と安易に思っていたが全然違う。一度、合法になってもいつ非合法になったりするか分からないぐらいの危うい問題。例えば、今でもポーランドは重障害児の場合であっても中絶は違憲のため禁止で、アイルランドも2019年まで中絶は犯罪とされていた。アメリカでも中絶させないような政策や活動(スタッフロッカーの大きさや駐車場の広さを一定以上に求めたり、芝生の高さを一定の高さに義務付けるなどして中絶クリニックだけ開業のハードルを高くするTRAP法や中絶を勧める団体への資金拒否、(続)2022/11/23
ア
4
全体的に説明が軽めで、読みやすいが、もう少し詳しく知りたい、という感じ。だが、後半のエンパワーメントの言葉や、各国の最新情報、解説は非常によかった。2022/02/02
はる
2
主に北米での中絶の歴史から、世界中での安全な中絶を求める活動の紹介、そして訳者あとがきと解説での日本における中絶の歴史と現状まで、さまざまな角度から中絶について学べる。中絶を禁止しても中絶は減らず、ただ安全な中絶が減るだけであることは、広く知られるべきだと思う。プロチョイスという考えではカバーしきれない、選択肢そのものを増やそうとする「リプロダクティブ・ジャスティス」という考え方を知った。中絶を必要とするすべての人が「自分の体のことを自分で決める」権利を行使し、安全な中絶ができるようになりますように。2022/02/05