日本経済新聞出版<br> デジタルシルクロード 情報通信の地政学

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日本経済新聞出版
デジタルシルクロード 情報通信の地政学

  • 著者名:持永大【著】
  • 価格 ¥2,970(本体¥2,700)
  • 日経BP(2022/01発売)
  • ポイント 27pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784532324520

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内容説明

中国の一帯一路戦略には、通商・金融以外にもう一つの顔がある。それはデジタル戦略だ。一帯一路デジタル経済国際協力イニシアチブ(デジタルシルクロード)は、一帯一路の情報通信分野における構想である。これに対して米国などは、安全保障上の懸念、知財の窃取、およびプライバシーの面において中国由来の技術は潜在的に高いリスクを抱えていると指摘している。しかし、こうした視点だけでは中国による影響力拡大の目的を理解するのに不十分だ。なぜ多くの国がこれらの技術を受け入れるのか、低コスト機器に付随するリスクは何か、または中国の技術を通じた影響力はどのように効果を上げるのかを明らかにする必要がある。
 本書は、デジタルシルクロードについて、国際政治におけるパワーをフレームワークとして、経済、安全保障、及び技術という要素、インド・太平洋という地域の地政学からその目的と影響力を明らかにする。
 地政学、安全保障、国際政治におけるパワーの行使という独自の観点から、中国の一帯一路のデジタル分野での取り組みであるデジタルシルクロードの影響力を読み解き、インフラ整備、5G、デジタルプラットフォームの拡大を示すと共に、中国の技術・経済・外交的な影響力拡大の状況と対抗策を示す。

目次

第1章 デジタルシルクロードの何が問題か
第2章 デジタルシルクロードとは何か
第3章 情報通信技術と国際政治におけるパワー
第4章 関係的パワー:インフラとデジタルプラットフォームの整備
第5章 構造的パワー:安全保障、生産、金融、知識と情報通信技術
第6章 「自由で開かれたインド太平洋」と一帯一路

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

アナーキー靴下

79
一帯一路とは鉄道や道路といった物理的なインフラ整備で中国優位の経済圏を広げる構想、と認識していたが、同時に通信インフラを広げていたと本書で初めて知った。読み始めはディストピア実現かと恐れ戦くも、対抗できる技術もなく市場に還元されていくだけの日本人には、恐れることさえおこがましい気がしてくる。中国の戦略は率直に言って凄い、行き届いた管理による政策へのフィードバック、スピード感は流石。国家間のパワーゲーム頂上戦、翻って日本の平和を噛みしめつつ、無性にシヴィライゼーション(ゲーム)やりたくなりⅥ買ってしまった。2022/06/03

かんちゃん

2
地上と海底ケーブルによる通信インフラ、技術に関する標準化戦略、サイバー空間におけるオープン化(プラットフォームの拡大)とセキュリティ強化(含む、規制への対抗措置)、価値観・利害を共通する集団とのアライアンス戦略など、かなりテーマの幅が広く、咀嚼しきれていないが、最新の動向というよりも、外国政府のプレスリリース等、なかなか日本語文献にない情報をとりまとめて時系列に並べてくれていることに価値があるか。電子書籍だと全体の4分の1程度が脚注となっており、意外とコンパクトな内容。2022/02/06

takao

1
ふむ2023/07/06

dulce_zakka

0
ちょっとしんどい。2022/05/17

Tatsuhiko

0
著者はシンクタンク研究員らしく中国の「デジタル・シルクロード」に関する幅広い文献を読み込んでいることがうかがえる。特に中国の関連政策を毛沢東時代から現代に至るまで手際よくまとめている辺りは良い。ただ、ではこの本を読み終えて「デジタル・シルクロード」とは何かと言われても断片的な知識が浮かぶばかりで、全体像は相変わらず曖昧なままなのではないか。もちろん中国の政策自体が曖昧なので仕方ないのかもしれないが、そこを概念化して分かりやすく解説することも専門家の使命だと思う。2022/03/24

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